膏肓記

歴史作家桐野作人のブログ  織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記

 
風林火山の古道

久しぶりの新刊です。

単著ではなく共著ですが、興味がおありなら書店をのぞいてみて下さい。
発売は明後日の11/24(金)で、版元は集英社です。
下記サイトに少し詳しい案内もあります。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-781357-6&mode=1

本書はタイトルからも明らかなように、来年の大河ドラマ関連企画です。
武田氏や山本勘助の歴史的な事績を扱う類書に対して、武田氏関連の史跡を「古道」というコンセプトでまとめて差別化したものです。ジャンルとしては歴史紀行にあたります。

小生の担当は2つあります。

ひとつは、信州小県の真田氏と上州街道
真田氏の揺籃の地である真田郷や上田をめぐりながら、真田氏の発展をもたらした上州街道を辿ります。上州街道は真田郷・上田と上州沼田を結ぶ動脈でした。
真田郷や戸石城が一望できる真田本城に10年ぶりくらいに登りました。ここからの眺めはいつ見てもよかったです。
上田市内の真田太平記・池波正太郎記念館も初めて訪れました。武田信玄が苦杯をなめた上田原の古戦場にも行き、板垣信方の墓も初めて訪れることができました。

もうひとつは、三河長篠古戦場と伊那街道です。
伊那街道は東海道の吉田宿から信州飯田へとつづく峻険な山道です。
途中に長篠城と同古戦場があります。
長篠古戦場は何度も行きましたが、それでもまだ回りきれません。
今回初めて行ったのが、鳥居強右衛門の供養塔(磔碑ではなく)、山本信供(勘助の息子)の討死の地と供養塔、馬場信房最期の地などです。

とくに印象深かったのが馬場信房最期の地です。長篠城から遡った豊川右岸にありますが、道路脇にありながら、峻険な山の斜面にあり、なかなか気づきにくい場所です。武田勝頼が退却のために渡河した地点のすぐ近くにあることから、やはり主君を守るためにここで殿戦を行ったのだなというのを実感できる場所でした。

余談ながら、古戦場の一角に武田軍団随一の猛将、山県昌景とその一族の供養塔があるのですが、少し暗くなっていて山林だったせいもあるのですが、なぜかうまく撮影できませんでした。全体がぼやけていて変な筋が入っています。以前に撮影したときも、ここはうまく撮れていません。何か変なものがいるのでしょうか?

さて、伊那街道は武田勝頼も父信玄も、ともに失意の道でした。勝頼にとっては歴史的な大敗北を喫して武田氏凋落のきっかけとなり、信玄にとっては織田信長との決戦を断念せざるをえない死出の旅となったところです。
取材の旅の最後が信玄の遺骸を焼いたと伝えられる駒場の長岳寺だったのも、一層感慨を深くしました。

『「風林火山」の古道をゆく』
出版社名 集英社 (ISBN:4-08-781357-6)
発行年月 2006年11月
価格 1,680円(税込)