膏肓記

歴史作家桐野作人のブログ  織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記

 
多くの人にはほとんど必要ない情報だが、個人的な備忘のために書いておく。

鹿児島市の老舗書店、春苑堂書店から表題の案内が来た。
新刊2点の予約受付中である。

旧記雑録拾遺 伊地知季安著作史料集七 6.510円(税込)
薩摩藩法令史料集四 6.510円(税込)


配布は4月の予定。
取り扱い先:春苑堂書店・南鹿児島店
〒890-0068 鹿児島県東郡元町19-6
TEL:099-206-5181

同書店は『鹿児島県史料』の委託販売をしている書店である。東京でも神田神保町の古書店、巌南堂が東京での委託販売を行っていたが、近年はどうなのだろうか?

伊地知季安(1782-1867)は幕末期、薩摩藩の記録奉行だった関係から、藩当局が所蔵する膨大な各種文書を丹念に筆写・編纂した。それが有名な『薩藩旧記雑録』である(のち『鹿児島県史料』に収録)。その過程での副産物として、薩摩藩の事柄を詳しく考証した記録を数多く遺している。それが『鹿児島県史料 旧記雑録』の拾遺という形で収録されたものである。

なお、『薩藩旧記雑録』は季安の代では未完で、息子の季通(1818-1901)に引き継がれ、明治18年(1885)、『薩藩旧記雑録』全68巻を完成させて内閣修史局に提出し、今日に至っている。


薩摩藩法令史料集』のほうは、先行する類書として、『藩法集』シリーズ(藩法研究会編、創文社)のなかに第8巻/鹿児島藩上・下(原口虎雄編)があった。じつはこの『藩法集』上下二巻は所持している。付言すれば、とても高かった。
そして今回のシリーズはどう見ても、これと重複しているなと思ったが、『鹿児島県史料』は有無を言わさず全巻購入を決めているので、そのまま第三巻まで購入している。

第一巻の解題を読んだところ、『藩法集』と底本が異なることがわかった。『藩法集』は「列朝制度」の都城本などの写本を底本にしているのに対して、『薩摩藩法令史料集』のほうは、『藩法集』の編者原口虎雄氏が「杜撰極まるもの」と断じた「歴代制度」東大本を底本としている。
原口氏の論難にもかかわらず、あえて新たに底本としたのは、「列朝制度」とは異なる特徴があり、適切な校訂を施せば、原口氏の非難する事柄を是正することは可能だったことによるという。

ともあれ、底本が異なることから、両方とも購入することはそれなりに意義あることだと、自分を納得させている(笑)。