膏肓記

歴史作家桐野作人のブログ  織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記

 
吉川弘文館から出版案内が送られてきた。

そのなかで興味があるのは、『日本古代中世人名辞典』『日本近世辞典』『日本近現代人名辞典』である。各冊21.000円、三冊で63.000円と、まことにいい値段である(笑)。

惹句で「卑弥呼から小泉純一郎まで」とうたっているけれど、こちらの関心のある時代と人物がものの見事に三冊に分かれてしまっている。

これは偶然ではなく、おそらく同社の「戦略」だろうか。たとえば、古代中世には信長・千利休・細川ガラシャ、近世には秀吉から坂本龍馬まで。近現代には吉田松陰・西郷隆盛がいるという具合。
信長と秀吉を中世と近世に分けるのもよくわからない。坂本龍馬が近世なのに、吉田松陰と西郷隆盛が何で近現代なの? と疑問は尽きない。現物を見ていないので何ともいえないが、もしかしたら双方で重複して立項してある可能性もあるだろうけれど。

もうひとつの不安点は、刊行し終わった国史大辞典との関係である。同辞典に収録された項目のうち、新たに人物だけを抽出して編集し直したのではないのかという疑問である。

同社にはこうした体裁で刊行された事典がある。05年に刊行された『戦国武将合戦事典』がまさにそれで、国史大辞典から武将と合戦を抜き出して再編集したものだった。新しい情報がほとんど含まれておらず、国史大辞典を所有しておれば、事足りるものだった。もっとも、国史大辞典全巻をもっている人はそんなにいないだろうから、戦国武将と合戦に特化した辞典が比較的安価で入手できるわけだから、需要はあると思われるし、それなりに意義あることだろう。
序文に国史大辞典の再編集だと明記してあったから、それを知らずに買ったこちとらの調査不足が悪いのである。この事典は定価8.000円だったが、今回はその数倍する辞典だから、中身を吟味してからじゃないと手が出せない感じである。
もしすでにチェックされた方がおいでなら、情報をお寄せ下さい。

むろん、同社はいい本もたくさん出している。また国史大辞典は戦後の日本史学界でも金字塔といえる業績であることは否定しない。それに注ぎ込まれた膨大な人員・資金・時間を考えたら、なるべく投資分を回収するために、一粒で何度かおいしいビジネスをしたい気持ちもわからないではない。
まあ、そういうことは出版案内に載るはずもないから、こちとらが賢くなって判断すればよいだけのことである。
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ゴンザの露薩語講座」第10回です。もう10回目なんですね。
前回出題分「ボズ」ですが、正解はボズ・スキャッグス、ではなくて「司祭」です。「司教」でもかまいません。ボズ→坊主→司祭という連想で、ご指摘のとおりです。
ゴンザは、ロシア正教会について、その神を「フォドケ(仏)」、教会トップの総主教を「オショ(和尚)」、司祭や僧侶一般を「ボズ」、寺男は「コズ(小僧)」という階層的な理解になっていたようです。
水戸っぽさんもきなみんさんも正解です。ヒントでわかりやすかったかもしれないですね。次回はちょっと難しくして、ヒントもなしです。

第10問:クチスコト