膏肓記

歴史作家桐野作人のブログ  織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記

 
高柳光寿

いまさらながらの本だが、最近購入。
ある論文が収録されているのを知って、それだけ図書館で複写すれば用が済んだのだが、え〜い、めんどくさいとばかりに上下巻とも購入。これまたなかなかの値段だった(爆)。
上下巻合わせると10センチほどになる分厚い本である。

著者:高柳光寿
版元:吉川弘文館
刊行年:1970年
頁数:上巻866頁/下巻808頁
定価:各5.500円(当時)


目的の論文はもちろん読んだが、ほかにも面白そうな論文が目白押しで目移りしそうだ。

たとえば、「豊臣秀頼薩摩落説」。

よく知られた伝承だが、同工異曲の逸話を載せた史料がこんなにたくさんあるとは知らなかった。さすが実証史学の面目躍如である。
秀頼の薩摩落ち伝承はその死の直後からささやかれてようだ。とくに家康が亡くなった直後、秀頼が朝廷に保護されており、家康の死後にそれが公表されるらしいとか、元和2年(1616)、長崎代官の村山等安の台湾出兵が秀頼捜索のためだったという噂など仰天するような話がてんこ盛りである。

正面から取り組んでも手応えがあるのはむろんだが、企画を考えたり、小ネタを仕入れたりといった使い方にも適した本だろう。