膏肓記

歴史作家桐野作人のブログ  織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記

 
小学館てらこや特別講座「大河ドラマ『篤姫』の見方2」

今次2回目の講座である。
前回から3週空きの変則開催だったため、教室が変わる。初めての教室もまたいいものだ。

将軍継嗣問題を個人的にも整理したかったので、改めて検討してみた。
どうしても越前松平家の『昨夢紀事』への依存度が高くなるのは致し方ない。中根雪江の詳細な記録・日記が有難い。

将軍継嗣候補が紀州慶福と一橋慶喜だけでなく、5人いたと解説したが、史料を読んでいたら、ほかにも蜂須賀斉裕(徳川家斉の男子)や「加州殿」(人名不明)もいたとあってあわてる(汗)。

水戸斉昭の豪放さが将軍継嗣問題では裏目に出て、むしろ、粗暴、はた迷惑という感じで見られているのがよくわかる。一橋派の内部でも、島津斉彬が松平慶永に斉昭と距離を置くようにアドバイスしているのが興味深かった。

それと、一番面白かったのは井伊家の『井伊家史料 幕末風雲探索書』所収の風聞書。
井伊直弼の諜報網は一橋家にも及んでおり、慶喜側近の平岡円四郎が語ったことが出入りの医師を通じて、井伊側に筒抜けになっている。
そして、将軍継嗣が紀州慶福に決定したとき、慶喜が「呉々も残念」「殊外の御不満」だったことがよくわかる。
慶喜は将軍継嗣問題に消極的だったという通説を覆す内容で、とても面白かった。

次回は来週の6日(火)と一週間空きという変則開催です。
受講生のみなさん、ご注意下さい。