若狭の三方五湖には、「ハス」という淡水魚の稀少種が棲息していたが、
この記事によると、絶滅したらしい。
そうだとしたら、とても悲しい。
三方五湖には学生時代の貴重な思い出がある。
縄文時代の有名な遺跡、
鳥浜貝塚を発掘したこと。
大学の二回生のとき、夏休みの一カ月間、発掘で三方五湖の湖畔にある国民宿舎に滞在したことがある。
縄文前期の有名な貝塚遺跡で、日本史の教科書にも載った漆塗りの櫛の発掘現場にも立ち会った。鮮やかな朱色の漆が空気に触れてアッという間に酸化して茶褐色に変わったのを、昨日のように覚えている。
「ハス」は「鰣」と書く(魚へんに時)。
難しく見慣れない字そのものが、その稀少性を象徴していた。
三方五湖に流れ込む川がたしか、魚の名前を冠したハス川だったような記憶がある。その川底に鳥浜貝塚はあったのだ。
記事の見出しを見たとき、他の湖沼の淡水魚がそうであったように、獰猛な外来魚によって駆逐されてしまったのかと思ったが、どうもそうではないらしい。
極めて古典的で人為的な原因である。なぜ有効な手立てが打てなかったのだろうか。
懐かしい思い出がまたひとつ消え去ったような心地がする。