宍戸元続といっても、あまり知られている人物ではない。
毛利元就の一女五竜を娶った宍戸隆家の嫡孫にあたる。
ある原稿を執筆中、毛利家中の系譜『近世防長諸家系図綜覧』(防長新聞社刊、マツノ書店復刻)を見ていたら、宍戸家の元続の系譜のなかに興味深い記事を見つけた。
「室 織田内大臣信長公女 生一女 後離縁」
つまり、宍戸元続は信長の一女を妻にし、一女を儲けたのち離縁したというのだ。同系譜によれば、その一女は毛利分家の右田毛利山城守元倶に嫁している。
とりあえず、織田家の系譜『織田家雑録』や岡田正人氏『織田信長総合事典』などを見てみたが、該当する信長の娘を探し出せなかった。
見落とした可能性もあるし、ほかにあたるべき系譜類を見ていないものの、ほとんど聞いたことがない話である。
この信長の娘は誰なのだろうか?
元続は永禄6年(1563)生まれとあるから、世代的には信長の娘を娶ってもおかしくはないが、織田権力と毛利家の対立、信長と元続の地位・家柄の格差を考えると、なかなか想定しにくい。
仮に事実だとしても、明らかに信長死後の天正10年(1582)以降のことだろう。
もし、この信長の娘をご存じの方、あるいはこの縁組が事実であるとご存じの方がおいでなら、ご教示いただければ幸いです。