膏肓記

歴史作家桐野作人のブログ  織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記

 
BS11というBS放送「歴史のもしも」という番組。

タイトル通りの番組で、歴史のIFを学術的に、あるいは情熱的に追究しようといういうもの。

出演依頼があったので、本日、午後からそのスタジオ収録に行きました。
番組の詳細は、ここにあります。

司会は麻木久仁子さんと安田清人さん。
安田さんは知り合いの出版ディレクターである。

対論相手は、落合弘樹氏(明治大学教授)だった。
落合氏は『明治国家と士族』『西郷隆盛と士族』(ともに吉川弘文館)などの著書があり、士族問題や秩禄処分を専門にされている。幕末維新史では有力な研究者の一人。
氏とは3年ほど前だったか、鹿児島でご一緒し、焼酎を酌み交わした仲でもあったので、そんなに緊張せずに臨むことができた。

番組内容は、タイトル通り、西郷軍が本州に上陸できたら、どんなことが起こったかということを推理していこうというもの。落合氏の胸を借りてみたものの、氏の簡潔なまとめ方にはとてもかなわない。勉強させてもらいました。
もしこの番組をご覧になれる環境の方は、次のスケジュールで放映されますので、よかったら、ご覧下さい。

■8月31日(日)
 9月3日(水) 再放送

 「もしも西郷軍が本州に上陸していたら」

      ゲスト 桐野作人(作家)
           落合弘樹(明治大学文学部教授)


司会の一人、安田氏も雑誌編集者とは違った面を見せていて、その活躍ぶりが頼もしい。
解説用のパネルやフリップも彼が作成したのだろうが、じつに要領よくまとまっていた。

メイン司会の麻木久仁子さんはいろんなTV番組でおなじみ。
仕切りぶりはお見事の一言。
歴史の蘊蓄がすごい。そして勘のよさと、物事の本質をつかむ能力はただものではないと思った。
あちこちの番組から引っぱりだこになっている理由もわかった。

収録終了後の記念写真。
落合氏からいただく。感謝。
bs11

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南日本新聞連載「さつま人国誌」第67回
―息子たちに真情を吐露―

連載が更新になりました。
左のリンク欄「さつま人国誌」をクリックすれば、ご覧になれます。

今回は前回予告を変更して、大久保利通の遺書について書きました。
この遺書は『大久保利通文書』にも収録されていますが、これまで「遺書」だという認識はあまりなかったようで、それほど注目されていませんでした。
それを「遺書」だと呼んだのは、佐々木克氏だったでしょうか。

書かれた時期は明治6年(1873)10月頃。
明治6年政変、いわゆる征韓論で西郷隆盛との対決に臨む直前に、米国留学中の2人の息子に宛てて書かれたものです。

2人の息子に宛てたものだけに、決して他人には見せない大久保の真意が書かれているように思います。
とくに大久保が死を覚悟していたことは驚きで、それだけに、遠く離れた米国にいる息子たちには何としても、親としての決意と気持ちを書き残しておこうと思ったのでしょう。
岩倉具視にも木戸孝允にも明かさなかった真意。大久保もまた人の親だったと思います。

この「遺書」は大久保邸が罹災したときに、辛うじて持ち出されたもので、まわりが焼け焦げています。書類が束になっていたせいで、まわりだけ焼けて、全部燃えなかったのが不幸中の幸いでした。

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