歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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南日本新聞連載「さつま人国誌」第198回
―追分戦争で行方不明に―

先週は休刊日だったのでお休みでしたが、連載が本日更新になりました。
同紙サイトのここか、右のリンク欄「さつま人国誌」をクリックすればご覧になれます。

今回はおそらくほとんど知られていない薩摩藩士を書きました。
しかし、赤報隊と深く関係した人物だと思われます。おそらく焼き打ちに遭った江戸の薩摩藩邸にいた人物です。

友人の研究者西澤朱実さんの『相楽総三・赤報隊史料集』(マツノ書店刊)の編纂に協力していた頃から注目していた人物です。
もう少し情報がないか、ずっと留意していたのですが、不勉強もあってそれ以上の史料を見出せません。
相楽たちとの思想的紐帯といえば、平田国学門下かと思いましたが、門人帳に名前はありませんでした。
幕末維新期の殉難者を集成した『殉難録稿』にも立項されていません。

また鹿児島側の史料では、天保13年(1842)の『薩藩沿革地図』や安政6年(1859)の『旧薩摩藩御城下絵図』に記載されている人名を収録した『鹿児島城下絵図散歩』(塩満郁夫/友野春久編、高城書房刊)があります。
巻末に戸主の人名一覧があり、それを見ると、竹内名字は意外と多く、鹿児島城下に14戸(13名)記載されていますが、健介は見当たりません。
もっとも、竹内健介は若者で、まだ家督を継いでいない可能性がありますから、この14戸のどれかの家に属しているかもしれません。もしご存じの方がおいでならご教示いただけると有難いです。

記事にも書いたように、西澤さんは赤報隊が抹殺された理由は「年貢半減令」よりも追分戦争が深く関わっていると推定されています。
相楽たち赤報隊は中山道を進む薩摩藩に配属され、しかも竹内が隊内にいたのですから、「偽官軍」の噂が立っても大丈夫だと楽観していた面もあるかもしれません。それほど薩摩藩の後ろ盾が大きかったからでしょう。

しかし、追分戦争が起きてみると、小諸藩など中山道諸藩は東山道総督府が出した「偽官軍」の回章に従って行動したわけで、総督府としてもその処置に苦慮することになり、ついには赤報隊にすべて責任転嫁する決断をどこかで下したのだと思われます。
そのあたりは、西澤さんが今後明らかにしてくれることを期待しております。

その追分戦争で竹内は行方不明になりました。捕虜になったのならば、薩摩藩士だと名乗れば、小諸藩なども手が出せないでしょうから、釈放されたはずです。おそらく戦闘に巻き込まれて戦死、もしくは戦傷死したのではないでしょうか。
いつ、どこで生まれ、どのような経歴をもった薩摩人だったのか、明らかにできないことが残念です。

次回はいくつか候補があるのですが、一長一短で、どうするか迷っているところです。

よろしければ、下記をクリックして下さい。
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【2011/06/20 22:28】 | さつま人国誌
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赤報隊志士名簿
ながお
桐野様 こんにちは

ご存知だとは思いますが、私の手元にある「赤報隊志士名簿」(愛知県愛知郡の秦荘町歴史文化資料館 平成7年度秋期特別展図録のコピー)によれば、竹内健介は、「辰正20 京都薩邸より赤報隊に加わる。辰2・17 北信分遣隊大砲方長、追分で討死。」となっています。この名簿は高木俊輔著「明治維新草莽運動史」が基になっています。

竹内健介
桐野
ながおさん

高木俊輔さんのは見ておりますが、竹内健介が戦死したかどうかは史料では確認できないと思います。
まあ、戦死したのはほぼ間違いないとは思いますが。

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赤報隊志士名簿
桐野様 こんにちは

ご存知だとは思いますが、私の手元にある「赤報隊志士名簿」(愛知県愛知郡の秦荘町歴史文化資料館 平成7年度秋期特別展図録のコピー)によれば、竹内健介は、「辰正20 京都薩邸より赤報隊に加わる。辰2・17 北信分遣隊大砲方長、追分で討死。」となっています。この名簿は高木俊輔著「明治維新草莽運動史」が基になっています。
2011/06/21(Tue) 07:19 | URL  | ながお #-[ 編集]
竹内健介
ながおさん

高木俊輔さんのは見ておりますが、竹内健介が戦死したかどうかは史料では確認できないと思います。
まあ、戦死したのはほぼ間違いないとは思いますが。
2011/06/22(Wed) 10:49 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
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