歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
最近、またいだだきものがありました。
謹んで御礼申し上げます。

中村武生さんより
『池田屋事件の研究』 講談社現代新書 2011年 1.200円+税

中村さんはご存じの方も多いと思います。私のリンク先でもあります。
先日、ご本人からじかにうかがったことですが、池田屋事件は中学生のときからのテーマだったとか。
私なぞと違って思い入れの深さが違いますね。それは、新書にもかかわらず、400頁以上という分量にも表れています。

その思い入れの深さから、感情移入を徹底的にそぎ落とし、史料批判という理性的な方法で、新たな池田屋事件像を紡ぎ出しています。主に長州からの視点ということもありますが、従来の池田屋事件の通説と異なる世界を描き出しています。とくに古高俊太郎とは何者なのかという追究は新出史料を発掘しての、一種の謎解きの趣きがあり、引き込まれるように読みました。毛利一族の人なんですねえ。
今後の幕末史研究に一石を投じた著作だと思います。


太田浩司さんより
『浅井長政と姉川合戦』 サンライズ出版 2011年 1.200円+税

太田さんは長浜市の長浜城歴史博物館の学芸員です。
同館主催の講演会に招いていただいたり、史料をご教示いただいたり、お世話になっています。いつぞやは種子島で一緒にシンポに参加したこともありました。
今年の大河ドラマの地元のひとつで、しかも、大河ドラマの時代考証にも関わっておられたので、だいぶお忙しかったようです。そのため、本書の刊行も遅れたようです。
内容は題名のとおりのものですが、「あざい」か「あさい」かについても、小生の示した史料についても触れられています。当該史料所蔵先の徳勝寺には、別の写しも残っていること(それは「あさい」とあるとか)を指摘されており、地元ならではの発見が興味深いです。
とくに注目したのは、小谷城についての詳細な解説です。たとえば、浅井長政が自刃した場所が赤尾屋敷かどうか、確実な史料では確かめられないとか、秀吉が攻め上った水之手口とか、地元の強みが存分に活かされています。
姉川合戦についてのとらえ方は私とは少々異なっていますが、浅井氏や元亀争乱の好個の著作だといえるでしょう。


柴辻俊六さんより
講演「史料編纂と古文書研究」 『日本史攷究』35号 2011年

早稲田大学教育・総合科学学術院の研究誌に掲載された講演録です。
柴辻さんは甲斐武田氏・真田氏の研究者として著名。古稀を迎えて早稲田大学を来年3月退職されるそうで、それを記念した講演をまとめたものです。
とくに原本と偽文書の区別についての部分に興味を引かれました。最近、個人的にも悩んでいるところだったので。
巻末に柴辻さんの年譜と著作目録が付してあります。膨大なお仕事に改めて敬意を表します。

お三方、有難うございました。

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【2011/12/08 21:26】 | 新刊
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御礼
中村武生
中村武生です。過分のご紹介、感謝しております。が、不備な点も少なくないはずですので、お気づきの点、ぜひお聞かせ願います。すでに見落とした史料や、書き落とした学説に気づき、赤面しています。

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御礼
中村武生です。過分のご紹介、感謝しております。が、不備な点も少なくないはずですので、お気づきの点、ぜひお聞かせ願います。すでに見落とした史料や、書き落とした学説に気づき、赤面しています。
2011/12/16(Fri) 22:58 | URL  | 中村武生 #-[ 編集]
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