歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

6日(火)夜、小学館アカデミー講座「てらこや」に出講。

佐佐木高行の『保古飛呂比』も17回目。
今回は慶応3年(1867)7月あたりを読む。
上京した佐佐木は薩土盟約に立ち合い、後藤象二郎の帰国を見送る。
薩土盟約について、佐佐木は「薩の智略」に感心している。薩摩藩は土佐藩に先手を取らせ、二本目は自分たちで取るつもりだと。すなわち、土佐藩を前面に押し出して引っ込みがつかないようにするつもりだと。

前回、佐佐木の回想録『勤王秘史 佐佐木老侯昔日談』を受講生の方に少し見せていただき、この日記の立派な注釈本だとわかったので(記主の回想録だから当然、気づくのが遅すぎた)、四侯会議のあたりを中心に少し読んだ。テキストの背景というか行間がわかりやすい。
だいぶ以前に購入した本だったのに宝の持ち腐れだったなと反省。
日記で面白かった点をいくつか。 

①薩摩藩士の黒田了介と永山弥一郎が土佐藩邸を訪ね、才谷梅太郎=坂本龍馬に面会を求めていたこと。
 これにより、黒田と龍馬がある程度知り合いであることが判明する。以前、大久保利武(利通三男)の聞書に龍馬が黒田の下宿を訪ねてきたという一節があったが、それを裏付ける記事かもしれないと思った。

②薩土盟約を山内容堂が承認すれば、在京重役たちは土佐藩兵(佐佐木の目算では2個大隊程度)を上京させる手はずを考えていた。問題はその収容先である。事前に準備しておく必要がある。在京重役たちは最近購入した白川藩邸を想定していたが、佐佐木は白川藩邸は辺鄙な所にあり、いざというとき間に合わないと考え、「大仏」(智積院とする)のほうが便利な「要所」だから、その借り上げを継続すべきだと主張して認めさせている。智積院は土佐藩が借り上げて賃料を払っていたようだ。

③この頃、一会桑権力とくに慶喜はその軍事力強化のため、幕府歩兵隊(慶応の軍制改革によるもの)を多数在京させていたが、彼らの風紀が悪く、洛中で乱暴狼藉が目立ったようである。そのため、町人たちは自衛策として、家の入り口に「薩州下宿」「土州下宿」という札を掛けていたという。幕府歩兵も薩摩と土佐には手が出せないと読んだ町人たちの巧みな知恵に感心した。

そのほか、今回のテーマを「四侯会議の後始末」と題した関係上、『続再夢紀事』を参考に読む。山内容堂に続き、松平春嶽も帰国すると言い出したので、焦った薩摩側では小松帯刀が春嶽説得のため、何度も越前藩邸に足を運んだ様子がわかる。
結局、小松は春嶽を説得できずに終わる。薩摩藩は四侯会議の提案者だけに、何らかの成果を得ないまま、四侯がバラバラになることに危機感を抱いていた。そして、その唯一期待した「成果」が何だったかが、伊達宗城の証言のなかにあったことを確認。
こののち、薩摩藩がなぜ後藤に失望したかがよくわかった。この点では、高橋秀直説は見直すべきだろうと感じた(佐々木克説が妥当か)。

次回は8月あたりをやることになる。
イカロス号事件だなあ。でも、本題からはずれるなあ。思案のしどころ。

次回講座日程:3月13日(火)
祭日と重なるため、次回は13日です。ご注意下さい。

↓↓↓ぜひ下記をクリックして下さいね↓↓↓
人気ブログランキング

スポンサーサイト

【2012/03/08 19:41】 | てらこや
トラックバック(0) |

高橋秀直説の土佐
つばめ
 もう亡くなられたので余り言いたくないですが、高橋氏の”「公議政体派」と薩摩倒幕派”などは大政奉還当時の土佐藩、後藤象二郎や容堂については甘いというか、間違いも多いかもしれません。
 当時の土佐藩の動きは分かっているようでいなかったのですが、最近出た龍馬本に土佐藩の動きが面白く描かれていると思いますが、どうなんでしょうか。
 

最近出た龍馬本?
桐野
つばめさん

コメント有難うございます。
高橋秀直さんの著書、たしかに強引だったり、検証不足だったりする点がありますね。
それでも、パラダイム転換といってよいほどの衝撃も受けました。

それで、その龍馬本ってどなたが書いたものでしょうか?

コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
高橋秀直説の土佐
 もう亡くなられたので余り言いたくないですが、高橋氏の”「公議政体派」と薩摩倒幕派”などは大政奉還当時の土佐藩、後藤象二郎や容堂については甘いというか、間違いも多いかもしれません。
 当時の土佐藩の動きは分かっているようでいなかったのですが、最近出た龍馬本に土佐藩の動きが面白く描かれていると思いますが、どうなんでしょうか。
 
2012/03/09(Fri) 20:18 | URL  | つばめ #-[ 編集]
最近出た龍馬本?
つばめさん

コメント有難うございます。
高橋秀直さんの著書、たしかに強引だったり、検証不足だったりする点がありますね。
それでも、パラダイム転換といってよいほどの衝撃も受けました。

それで、その龍馬本ってどなたが書いたものでしょうか?
2012/03/11(Sun) 00:12 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。