歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
先日、帰鹿した折、黎明館に所用で立ち寄った。
そのとき、喫茶室に置いてあった刊行物を数点購入した。
そのなかに地元研究者たちによる『鹿児島地域史研究』を数号分見つけて購入した。
とくに近年の号はもっていなかったので、購入できてよかった。

いくつか興味深い論文が収録されていたが、とくに、

岩川拓夫「中近世移行期における島津氏の京都外交―道正庵と南九州―」 『鹿児島地域史研究』5号 2009年

に注目した。
岩川さんは尚古集成館の学芸員である。

以前、島津の退き口の史料を見ていたとき、副題にある道正庵という寺院・僧侶に気づき、その寺院もしくは彼(道正庵宗固、同休甫)が退き口で島津義弘とは別行動をとって京都に逃げ込んだ連中と何らかの関わりがありそうだというところまではわかったのだが、道正庵のことがよくわからず、時間の関係でそれ以上調べなかった。

岩川さんはそれをかなり詳しく追究している。しかも、退き口時期だけでなく、永禄~慶長期までを調べ、道正庵が島津氏の京都外交の拠点であることを明らかにし、さらに京都と南九州の都鄙交流まで展望していたので、大変勉強になった。
とくに、島津氏による信長への鷹献上が元亀2年(1571)まで遡るという指摘は驚いた。もっとも、この鷹献上は将軍義昭に対するもので、義昭から信長に下賜されたものかもしれない。

ほかにも、天正14年の豊臣政権と島津氏の交渉や、宗固が島津義久の政治顧問でもあったこと、関ヶ原合戦後の島津と徳川の和平交渉などにも宗固・休甫が深く関わっていたことがわかった。

これほどの重要な役割を果たした道正庵について何も知らなかったことは不覚だった。
岩川さんの研究をさらに熟読して勉強してみたい。

↓↓↓ぜひ下記をクリックして下さいね↓↓↓
人気ブログランキング

スポンサーサイト

【2012/03/10 12:30】 | 戦国島津
トラックバック(0) |

道正庵
ばんない
こんばんは。

興味深い論文のご紹介ありがとうございます。取り寄せようかな、と思って国立国会図書館のカードID入力したら、使わないまま期限切れ(爆)他にも気になる論文があるので、めんどくさい再々発行をするかどうか検討中です(汗)。連絡と支払いの面倒さえ我慢したら鹿児島県立図書館の方が早いかも。

今拙ブログでやっている島津義久天正18年日記でも、道正庵宗固は時々登場していました。当方、知らなかったので上田宗箇と勘違いしてました(滝汗)。ありがとうございます。

道正庵自体は明治の初頭に寺勢が衰微して(ご子孫の回想録がネットにありました)、現在は廃絶したのか地図に見あたらないですね。残念。

不覚でしたね
桐野
ばんないさん

国会図書館のIDカード、私も先月、ギリギリで更新に行きました。
鹿児島県立図書館も郵便振替にしてくれたらいいんですけどね。下手すれば、コピー代50円に現金書留代500円というばからしさですから。
いつぞや、郵便振替にしてくれと要望したんですけど、ダメでした。
今後のこともあるので、やはり国会のIDカード作り直したほうがいいかもしれませんね。


コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
道正庵
こんばんは。

興味深い論文のご紹介ありがとうございます。取り寄せようかな、と思って国立国会図書館のカードID入力したら、使わないまま期限切れ(爆)他にも気になる論文があるので、めんどくさい再々発行をするかどうか検討中です(汗)。連絡と支払いの面倒さえ我慢したら鹿児島県立図書館の方が早いかも。

今拙ブログでやっている島津義久天正18年日記でも、道正庵宗固は時々登場していました。当方、知らなかったので上田宗箇と勘違いしてました(滝汗)。ありがとうございます。

道正庵自体は明治の初頭に寺勢が衰微して(ご子孫の回想録がネットにありました)、現在は廃絶したのか地図に見あたらないですね。残念。
2012/03/10(Sat) 23:46 | URL  | ばんない #kyBjvhlc[ 編集]
不覚でしたね
ばんないさん

国会図書館のIDカード、私も先月、ギリギリで更新に行きました。
鹿児島県立図書館も郵便振替にしてくれたらいいんですけどね。下手すれば、コピー代50円に現金書留代500円というばからしさですから。
いつぞや、郵便振替にしてくれと要望したんですけど、ダメでした。
今後のこともあるので、やはり国会のIDカード作り直したほうがいいかもしれませんね。
2012/03/11(Sun) 00:16 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック