歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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島津家文書

先日の歴研大会会場で予約していた本が届いた。
八木書店が「東京大学史料編纂所影印叢書」シリーズの第1巻として刊行したものである。詳しい解説はここに

国宝指定された島津家文書のなかでも、歴代亀鑑と宝鑑は白眉中の白眉といえる史料。その影印集、要するに写真版である。

両者の区別がつかないでいたが、歴代亀鑑は主に貴久以前の島津本宗家に伝来したもので、宝鑑は本来の本宗家だった総州家伝来のものや伊作家の史料によって構成されているとか。
その意味では、歴代亀鑑こそ島津家文書の本筋、本流だろう。

ちょっと残念だったのはカラー版かと思っていたら、モノクロだったこと。
歴代亀鑑や宝鑑は豪華な錦織の表装なので、ぜひカラーで見たかった気がする。いつぞや、東京国立博物館での展示をガラス越しに見ただけだったので。

もっとも、今回の撮影にあたっては新技術も使用されている。
文書によっては、紙背に1行程度の簡単な付文である端裏書が記されていた。たとえば、「しまつの三郎兵衛、ゑちせん」(島津の三郎兵衛、越前)という具合に、発給者が宛所を記したものや下文など文書の性格を示したものが多い。

歴代亀鑑や宝鑑は『大日本古文書』の島津家文書にも収録されて活字化されているが、この端裏書は表装してあるためにほとんど読みとれず、翻刻されていなかった。
今回、高解像度近赤外線デジタルカメラという新兵器でこれを撮影し、端裏書の部分をPCに取り込んで反転・強調などの画像処理をして、あたかも裏面から読んでいるように表示してある。
細かい点だが、従来知られていなかった情報がわかったことになる。
足利義昭御内書

主な発給者は、

源頼朝、北条義時、同泰時、安達泰盛、後醍醐天皇、足利尊氏、高師直、足利直義、足利義満、同義教、同義政、同義昭、織田信長、近衛前久など。

文書の様式もさまざまで、さしずめ古文書学の見本になるようなものばかりである。

下文、将軍家政所下文、関東下知状、関東御教書、綸旨、御判御教書、御内書、鎮西下知状、軍勢催促状、室町幕府奉行人連署状など

まあ、眺めているだけで楽しい本ではある。

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【2007/06/15 11:12】 | 新刊
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