歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

薩摩切子

黎明館の学芸員Nさんより、表題の図録などを頂戴する。多謝。
この2月、鹿児島に帰り黎明館を訪問した。そのとき、Nさんの肝煎りで、小松帯刀や村田新八などの書簡を閲覧させていただいた。
その折のご好意につづき、また図録2点、紀要1点お送りいただき、感謝するばかりである。

さて、図録「薩摩切子」だが、3年前の特別展のものである。
現存が確認されている薩摩切子は200点ほどではなかったかと思うが、図録には70点以上収録されているのではないか。これほど一堂に集まるのは稀有なことだろう。

個人的には深い藍色の切子が好きである。
なかには、「紫色切子ちろり」という急須形の切子がある。ほぼ球形という難しい形に複雑な幾何学紋様。どれほど高い技術をもった職人が作ったのかと、ため息が出そうである。

また、薩摩切子の定義がちゃんとしてあったのにも感心した。
時期的には斉彬時代を中心とする幕末期かと思っていたが、明治初年、市来四郎の経営する開物社で製作されたものも含めるらしい。
もっとも、幕末や明治初期に長州萩や東京でも作られていたという確証があるものは除外されるらしい。萩や東京でも似たものが作られていたというのは知らなかった。

この図録に価値があるのは、単に薩摩切子の写真を掲載してあるだけではない。薩摩藩で切子の研究が行われ、実際の製造過程での試行錯誤などの史料が「斉彬公史料」を中心に多数収録されていて、薩摩切子の歴史を跡づけられるようになっている。
つまり、図録じたいが優れた史料集である。

黎明館を訪問された折は手にとってご覧下さい。

黎明館企画特別展
薩摩切子
鹿児島県歴史資料センター黎明館刊行
平成16年(2004)10月

スポンサーサイト

【2007/07/16 23:48】 | 雑記
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。