大河ドラマ「風林火山」第32回
―越後侵入―
今回は山本勘助の越後侵入が描かれ、とてもありえそうもない長尾景虎との対面、もっとありえそうもない宇佐美定満との対面と、創作全開である。
戸石崩れは『甲陽軍鑑』と異なり、上田原合戦→戸石崩れという順でちゃんと描いてあった。
もっとも、戸石攻めはまたしても芸のない武田の攻め方で(笑)。「豊泉堂雑記」さんから筆誅を喰らうのではないか。
さらに、豊泉堂さんが心配していた戸石崩れに勘助が不在という
恐ろしいことが実際に起こってしまった。
『甲陽軍鑑』では、勘助が劣勢の武田勢を救うために、両角虎光の兵50騎を借りて、村上勢の進路を南にそらすことに成功し、窮地を脱することになっている。ところが、肝心の勘助は景虎に捕らわれて戦場に不在である。しかも、宇佐美に正体がばれてしまっている……。
さて、この場面、軍師の勘助の見せ場のはずだが、今後何らかの形で描くのだろうか。それともスルーしてしまうのだろうか?
それはそうと、宇佐美が使っている忍びが「軒猿」となっていて、思わず苦笑してしまった。
前々回からだったか、直江実綱の娘で
浪が出てきている。父に景虎の夜伽をするよう命じられたものの、景虎に冷たくあしらわれるというシーンがあった。
これを見て、在りし日の大河「天と地と」にフラッシュバックしたのは私だけだったろうか。
「天と地と」でも似たようなシーンがあったが、若干設定が違っていた。宇佐美定満の娘が
乃美(「なみ」と読む)で、やはり景虎の近くに侍して、景虎を慕い続けるというものだった。
乃美を演じたのは樫山文枝、宇佐美は宇野重吉と民芸コンビだった。懐かしい。
「
乃美」と「
浪」……字こそ違うが音は同じ。脚本家の「天と地と」へのオマージュか。