歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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NHK大河ドラマ「篤姫」第31回「さらば幾島」

ドラマ進行時点は、安政6年(1859)秋から冬にかけて。

安政の大獄が全面展開しているところでした。
薩摩では同年9月12日、「宰相様」こと、隠居の斉興が国許の玉里屋敷で他界しました。
これにより、忠教こと、のちの久光が藩主後見人として藩政の前面に登場しようとしています。

しかし、その披露の場で、テロップが藩主の名前を「島津忠義」としていました。
これは不審ですね。
忠義と改名するのは、9年後の慶応4年(1868)正月29日、戊辰戦争の渦中においてです。

ドラマの時点では「茂久(もちひさ)」でなければならないはず。
斉彬の遺言で藩主となった叉次郎忠徳は安政6年正月28日、江戸城で将軍家茂に拝謁し、従四位下・左少将に叙任されるとともに、一字を拝領して、茂久と名乗っています。
ですから、テロップは「島津茂久」とすべきだと思いますが……。

まあ、のちに忠義と名乗るので、視聴者の混乱を避けるためにあとからの名乗りで統一したという考え方なのかもしれません。
でも、茂久の出番が今後それほと多いとは思えず、茂久名乗りでも混乱が生じるとは思えません。何より、久光はあまり知られていない前名忠教を使い、その後、久光への改名を描いて出番も多いわけですから、一貫性がありません。将軍家茂にしても、紀州時代は慶福(よしとみ)名乗りで通していましたしね。


それはさておき、今回注目したのは老中脇坂安宅(やすおり、1809~74)です。
井伊大老の代理として大奥にやってきて篤姫に挨拶しておりました。
懐かしや、「柔道一直線」の桜木健一でしたね。前々回だったか、配役に名前があっても、全然姿が見えませんでしたが、今回は2回も出番がありました。

とくに2回目の出番。井伊大老と茶室で密議している場面。
篤姫が島津家出身であるというのを理由に、井伊が目に物見せてやるといった趣旨のことを傲然と述べた場面で、老中脇坂は同調するふりをしながら、一瞬、複雑な表情をしていたのを、私は見逃しませんでしたぞ。

それが意図的な演出だったなら、なかなか秀逸です。
というのは、老中脇坂は島津家と親戚なのです。
脇坂の妹寿姫は島津重豪の養女となって、のち内藤家に嫁いでいます。
井伊大老は脇坂が島津家と親戚だということを知っていたのでしょうか。
知っていたとしての演出なら、井伊大老の加虐趣味を強調したということになるでしょうか。

のち、文久2年(1862)、久光が率兵上京し、さらに勅使大原重徳を伴って江戸へ下向したとき、幕府側で応対したのが、老中板倉勝静と脇坂でした。
このとき、脇坂は2度目の老中就任です。
久光は、事前に脇坂と会い、松平春嶽の政事総裁職就任について相談しています。これも親戚筋ゆえの気易さからです。
しかし、脇坂も島津家との私的な関係より、幕府の重職としての立場を優先させ、慶喜の将軍後見職就任の一件と合わせて、久光との間で駆け引きがありました。

ちなみに、脇坂家はもとをたどれば、関ヶ原合戦で東軍に内応した脇坂安治を藩祖としております。
本来、外様大名でしたが、天和3年(1683)に願譜代となり、譜代大名へと転身しています。安宅が老中になれたのもそのためです。

余談ですが、脇坂家は明治になると子爵家となりますが、安宅の曾孫にあたる安之(やすじ)は小松帯刀の孫娘ハナを娶っています。小松の嫡男清直の長女です。

3年ほど前、鹿児島の小松帯刀の墓所を詣でたとき、この脇坂家に嫁いだハナの子孫の方と偶然お会いしたことがあります。

大久保たち、のちの誠忠組の連中が気勢を上げているシーンがよく出てきますが、大久保のほか、有馬新七と伊知地正治だけは何とか識別できますが、あとは誰が西郷吉二郎、同信吾、大山格之助、有村俊斎なのか、まったく識別できません(笑)。

次回はいよいよ桜田門外の変ですね。楽しみです。

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【2008/08/03 22:41】 | 篤姫
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2008/08/04(Mon) 04:31 |   |  #[ 編集]
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2008/08/04(Mon) 02:55:43 |  旅じゃ.com
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