歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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歴史読本連載「信長―狂乱と冷徹の軍事カリスマ」第16回

掲載誌(4月号)が版元から送られてきました。
そろそろ書店に並んでいる頃だと思います。
興味のある方はご覧下さい。

信長の南伊勢出陣、大河内城攻めはあまり注目されていないので、少し詳しく書いてみました。『信長公記』だけでなく、『勢州軍記』など伊勢の軍記物も援用しています。
『信長公記』陽明本と『信長記』池田家本では、大河内城攻めに参加した部将たちの交名に少し異同があります。池田家本の方が詳しいです。とくに浅井長政の一手が参陣しているのが注目ですね。

それと、「尺際廻番衆」が本格的に登場するのはこの城攻めからではないでしょうか。
谷口克広氏はこの番衆が赤黒母衣衆の系譜を引いた旗本のエリート集団だと指摘しています。
彼らの役割は何だったのか、少し推測も交えて書いてみました。

今回のメインテーマは信長と義昭の不和がいよいよ表面化してきたことです。
永禄12年(1569)10月19日、南都興福寺の僧侶多聞院英俊は日記に「十六日に上意とせりあいて下り了」と、信長の突然の岐阜下向を書き留めています。
信長と将軍義昭の間に、何事か諍いがあったというわけです。

この一件から、信長の有名な「五カ条の条書」へと事態が発展していくわけですけど、今回、注目したのは、信長と義昭の葛藤と同時に、朝廷と義昭の係争も生じている点です。むしろ、こちらのほうが重大だったかもしれません。

一方、信長は朝廷とは非常に良好な関係でした。前回、禁裏小御所庭での天盃が不首尾に終わったので、正親町天皇はその埋め合わせのために、信長を禁裏御所の奥深く、長橋局まで引き入れています。
信長はこの時点でまだ無位無官ですが、長橋局は清涼殿のような表の政庁ではなく奥向きですから、信長を非公式な形で招き入れるのは可能だったのかもしれません。
天皇は信長を非常に頼りにしています。ですから、義昭と「せりあい」た理由が何だったのか気が気ではなく、山科言継を再び岐阜まで下向させています。

あと、義昭も信長を怒らせたのはまずいと思ったのか、上臈の大蔵卿局を岐阜に下らせています。信長との関係修復のために会いに行ったのは明らかです。大蔵卿局の岐阜下向はこれまで指摘されていたでしょうか? 不勉強なのでよくわかりません。
彼女の奔走で、信長も機嫌を直したのか、義昭との手打ちというか妥協が図られます。それが五カ条の条書だと思います。

次回は、五カ条の条書の意味あいについて、新たな解釈を加えてみたいと思っています。

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【2009/02/25 18:27】 | 信長
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ぜひ
NAO4@吟遊詩人
また今月も面白そうですね。買わせていただこうと思います。それにしても、歴史読本は分厚いので、3年も買っていると、結構場所をとります。(笑)

ついつい愛蔵してしまうのですが、適当に捨てていくのが耀のでしょうね。(笑)

貧乏性
桐野作人
NAO4@吟遊詩人さん、こんばんは。

私も貧乏性でして、これまで書いた原稿が掲載された雑誌など過去20年分を捨てられずにほとんど保存しております。
これを捨てたら、だいぶスッキリするのではないかと思っていますが。

歴史読本は近年、とみに分厚くなりましたね。少し路線が変わったことも関係しているかもしれませんが。
まあ、私の連載だけ切り取って処分してもいいのではないでしょうか(冗談)。

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ぜひ
また今月も面白そうですね。買わせていただこうと思います。それにしても、歴史読本は分厚いので、3年も買っていると、結構場所をとります。(笑)

ついつい愛蔵してしまうのですが、適当に捨てていくのが耀のでしょうね。(笑)
2009/02/27(Fri) 04:59 | URL  | NAO4@吟遊詩人 #laIirjiw[ 編集]
貧乏性
NAO4@吟遊詩人さん、こんばんは。

私も貧乏性でして、これまで書いた原稿が掲載された雑誌など過去20年分を捨てられずにほとんど保存しております。
これを捨てたら、だいぶスッキリするのではないかと思っていますが。

歴史読本は近年、とみに分厚くなりましたね。少し路線が変わったことも関係しているかもしれませんが。
まあ、私の連載だけ切り取って処分してもいいのではないでしょうか(冗談)。
2009/02/27(Fri) 21:39 | URL  | 桐野作人 #hxjklqKc[ 編集]
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