歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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徳之島紀行のつづきです。

講演とシンポの翌5月3日。
伊仙町の東目手久(ひがしめてぐ)の闘牛場で、全島一と中量級のチャンピオン決定戦があったので、町役場のSさんの案内で観戦しました。

徳之島の闘牛は、島随一のイベントです。年に何度か島の各地で開催されますが、この日の大会が一番多くの観衆が集まる最大のイベントだそうです。あとで新聞記事を見たら、4000人の観客だったとか(主催者発表)。
これを見るのを楽しみに、島外に出た島民も毎年帰郷する人が多いそうです。

闘牛場の由来も面白いです。奇特な建設業者が自分の死後も好きな闘牛を見たいと、高台の墓地から見下ろせる場所に私財をなげうってつくったそうです。よほど好きだったんだしょうね(笑)。

大会は10:00から始まりますが、大勢の観客が予想されるから駐車場が確保できないと困るので、1時間前には到着。
まず雰囲気をたしかめようと会場周辺をうろつき、続々とやってくる牛たちの様子を見て回りました。
牛を下ろす





入場料を払って会場に入ります。そのとき、本日の取組表をもらいました。せっかくなので、写真を載せておきます。取り組みは全部で10番。
取組表





徳之島台風
コウダ技電龍王丸
強襲作田號
戦闘チャネル


とかいかにも強そうなしこ名が並んでいます。「号」が旧字の「號」になって画数が増えると、いかにも強そうに見えるから不思議です(笑)。でも、なかには、

大阪の美波ちゃん

といった、いわくありげなしこ名も。
競馬と同じで血統も重要らしく、かつてのチャンピオン牛の子どももいます。

今回のトリというか千秋楽は、全島一と中量級のタイトルマッチで、前年度チャンピオンにチャレンジャーが挑戦するという形をとります。
中量級といっても、900キロ未満で堂々たるもの。
重量級は何と、1トン以上!!
ただし、全島一決定戦は無差別級で、強ければ中量級からも参加できるとか。

全10番を観戦しましたが、長いのは20分以上の長期戦、短いのは20秒程度で決着するのもあります。勝敗の基準はどちらかが一度相手に尻を見せて逃げたのち、もう一度仕切りに戻ってこないと、その時点で負けになります。その間、やや時間があるので、負けそうなほうは懸命に戻そうとしますが、その見切りが難しくて、判定が微妙になることもあるようです。
判定は大会審査員がやることになっています。
闘牛をあまり知らない観光客もわかるように、また場内を盛りあげるために、主催者側のアナウンスと解説がありました。解説者は琉球大学の生物か何かの先生でした(笑)。
満員の会場
満員になった会場
入場
いよいよ「戦士」たちの入場





大観衆の見守るなか、取り組みが進むにつれて、会場のボルテージが上がります。
1トンを超える重量級の激突はまさに龍虎相撃つ決戦。
角と角がぶつかり合う「ガシッ」という音が会場に響きます。
激突
決戦





闘牛といっても、単なる力勝負ではなく、いろいろな技があると教えてもらいました。
相手の角の下に角を入れて、すくい上げるようにして相手の角を反対側に押さえつけ、相手の顔を地面につけるようにする「かけおし」(掛け押しか)とか。これは相手の体力を奪う技だそうです。
鋭い角と角がぶつかり合いますから、当然無傷ではすみません。
赤味を帯びた顔面は、あたかもアブドゥーラ・ブッチャーの額のようです。
血しぶき迫力





勝負がつけば、勝ち名乗りがあげられ、オーナーには賞金や優勝カップが贈られ、牛には相撲の化粧まわしのようなものが与えられます。
また子どもたちを勝った牛の背中に乗せるのは、子どもたちのつつがない成長を祈る縁かつぎのようでもあり、闘牛の次代を担うための動機づけでもありましょう。
勝った
子どもを背中に




一方、負けた牛は恐怖のために目も充血して、興奮がなかなか収まらず危険な状態です。角にロープをかけて動かないように固定し、興奮を鎮めます。
負けた






とくにねじり合いの好勝負となったのは中量級のタイトルマッチ。

強襲作田號 VS 神港花形全真號

30分近い持久戦になりましたが、決して見飽きませんでした。
お互いが技を繰り出す応酬はなかなか見ごたえがありました。
どちらかといえば、「全真號」が押していましたが、攻めあぐんだせいか、体力の消耗が激しく、最後は、褐色の肌に白のまだら模様の顔をしている「作田號」が逆転勝ちしました。
中量級優勝






全島一タイトルマッチは、チャンピオンの徳之島台風が防衛に成功しました。
その瞬間、会場全体の盛り上がりが最高潮に達し、応援団だけでなく一般観衆までなだれ込み、踊り出しました。私も下の闘牛場に下りて熱狂のほどを味わいました。
桐野






この日は雲ひとつない晴天で、気温も室外は30度を超えていたでしょう。
島民はみな長袖で帽子を被り、タオルを首筋に巻いて防暑対策をしているのに、あとで気づきました。
私はといえば、半袖シャツに帽子もタオルもなし。
この格好で真昼の炎天下に3時間もいたらどうなるか……。
その日、拙宅に帰ってみると、腕はこんなありさまでした。
日焼け
鬼巻
おまけ/昼食で食べた「ばくだんおにぎり」、なかに海老フライが入ってます


闘牛を堪能したのち、Sさんにお願いして、積み残していた史跡を見学した。
とくに、西郷吉之助の流謫跡。文久2年(1862)、西郷が島津久光の激怒を買い、沖永良部島に流されますが、最初の配流先は徳之島でした。そこには愛加那も来ております。
西郷の徳之島での流謫生活は2カ月余りで、その後、再命あって、さらに南の沖永良部島に流されることになります。徳之島での流謫先を訪れ、撮影しました。
西郷流謫跡
西郷流謫案内板






徳之島は本当にいいところでした。また行きたいものです。

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【2009/05/13 13:26】 | 雑記
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日本にも闘牛あるんですね。
NAO4@吟遊詩人
知ってはいたのですが、日本にも闘牛あるんですね。改めて認識した次第。スペインまでわざわざ見に行かなくても。

闘牛でも
桐野作人
NAO4@吟遊詩人さん、こんばんは。

お久しぶりです。
ハンドルのアルファベット、前から全角でしたっけ?

闘牛といっても、スペインは人間対牛ですが、徳之島や沖縄では牛対牛で、少し違いますね。
それと、スペインの闘牛では、牛はその後、殺されるのでは?
徳之島では負傷することはありますが、負けた牛でも再戦可能です。徳之島の方が生命尊重ですね。

日本の闘牛
NAO4@吟遊詩人
日本の闘牛と言うと、徳之島以外では、隠岐と宇和島が記憶の片隅にあるのですが、検索してみると、↓6ヵ所あるんですね。それぞれの起源と関わり合いを調べてみると面白いような気がします。(そのうち、調べてみます。)
http://nawobe.up.seesaa.net/image/Oki20in20rekisi.pdf

>ハンドルのアルファベット、前から全角でしたっけ?
先生、よくお気づきですね。先のコメントは携帯電話で電車の中からさせていただきました。ブログの方は、携帯とパソコンで1日2回以上は拝見させていただいております。



ばんない
こんにちは。

徳之島の闘牛と沖縄の闘牛は関係がありそうですが、外の所とのつながりがよく分かりませんね。新潟と隠岐島は日本海側でつながりがあるのでしょうが…。牛の飼育が盛んだからある物でもないようですね>闘牛。但馬牛で有名な兵庫県ですが聞いたことがありません。

スペインの闘牛は、牛を見るんじゃなくてイケメンの闘牛士を見ることに主な目的があるのでは(爆)。でも、動物愛護運動との関わりで、人気はなくなってきているようですね。

蛇足ですが
>大阪の美波ちゃん
新地のホステスさんのお名前ではなさそうな感じですね。何となく。イメージですが。

闘牛って
寛永寺幼卒人
昔ですが八丈島で見ました。闘志満々の雄叫びに一歩引き
ましたが、あの見つめ合う真剣な目にドキンとしました
目的に向かって荒まじい勢いの心を持って何事にもぶつかって行ける燃える男の大和男を今の日本に欲しいです
  

有難うございます
桐野作人
NAO4@吟遊詩人さん、こんにちは。

一日に二度ものぞいていただき、有難うございます。
NAO4@吟遊詩人さんの熱心さには脱帽です。
今後ともご期待に添えるようなことを書きたいと思っていますので、よろしく。

八丈島
桐野作人
寛永寺幼卒人さん、こんにちは。

八丈島でも闘牛をやっているんですね。
徳之島・沖縄や隠岐と離島が多いですね。
何か共通点があるような気がします。

山古志
桐野作人
ばんないさん、こんにちは。

新潟は数年前、震災に遭った山古志村でしたね。
同村(現・長岡市か)の復興で、闘牛が村民を勇気づけたというニュースを見たような記憶があります。

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この記事へのコメント
日本にも闘牛あるんですね。
知ってはいたのですが、日本にも闘牛あるんですね。改めて認識した次第。スペインまでわざわざ見に行かなくても。
2009/05/15(Fri) 06:36 | URL  | NAO4@吟遊詩人 #laIirjiw[ 編集]
闘牛でも
NAO4@吟遊詩人さん、こんばんは。

お久しぶりです。
ハンドルのアルファベット、前から全角でしたっけ?

闘牛といっても、スペインは人間対牛ですが、徳之島や沖縄では牛対牛で、少し違いますね。
それと、スペインの闘牛では、牛はその後、殺されるのでは?
徳之島では負傷することはありますが、負けた牛でも再戦可能です。徳之島の方が生命尊重ですね。
2009/05/15(Fri) 21:50 | URL  | 桐野作人 #hxjklqKc[ 編集]
日本の闘牛
日本の闘牛と言うと、徳之島以外では、隠岐と宇和島が記憶の片隅にあるのですが、検索してみると、↓6ヵ所あるんですね。それぞれの起源と関わり合いを調べてみると面白いような気がします。(そのうち、調べてみます。)
http://nawobe.up.seesaa.net/image/Oki20in20rekisi.pdf

>ハンドルのアルファベット、前から全角でしたっけ?
先生、よくお気づきですね。先のコメントは携帯電話で電車の中からさせていただきました。ブログの方は、携帯とパソコンで1日2回以上は拝見させていただいております。
2009/05/16(Sat) 07:25 | URL  | NAO4@吟遊詩人 #laIirjiw[ 編集]
こんにちは。

徳之島の闘牛と沖縄の闘牛は関係がありそうですが、外の所とのつながりがよく分かりませんね。新潟と隠岐島は日本海側でつながりがあるのでしょうが…。牛の飼育が盛んだからある物でもないようですね>闘牛。但馬牛で有名な兵庫県ですが聞いたことがありません。

スペインの闘牛は、牛を見るんじゃなくてイケメンの闘牛士を見ることに主な目的があるのでは(爆)。でも、動物愛護運動との関わりで、人気はなくなってきているようですね。

蛇足ですが
>大阪の美波ちゃん
新地のホステスさんのお名前ではなさそうな感じですね。何となく。イメージですが。
2009/05/16(Sat) 12:29 | URL  | ばんない #kyBjvhlc[ 編集]
闘牛って
昔ですが八丈島で見ました。闘志満々の雄叫びに一歩引き
ましたが、あの見つめ合う真剣な目にドキンとしました
目的に向かって荒まじい勢いの心を持って何事にもぶつかって行ける燃える男の大和男を今の日本に欲しいです
  
2009/05/16(Sat) 13:34 | URL  | 寛永寺幼卒人 #-[ 編集]
有難うございます
NAO4@吟遊詩人さん、こんにちは。

一日に二度ものぞいていただき、有難うございます。
NAO4@吟遊詩人さんの熱心さには脱帽です。
今後ともご期待に添えるようなことを書きたいと思っていますので、よろしく。
2009/05/17(Sun) 11:47 | URL  | 桐野作人 #hxjklqKc[ 編集]
八丈島
寛永寺幼卒人さん、こんにちは。

八丈島でも闘牛をやっているんですね。
徳之島・沖縄や隠岐と離島が多いですね。
何か共通点があるような気がします。
2009/05/17(Sun) 11:49 | URL  | 桐野作人 #hxjklqKc[ 編集]
山古志
ばんないさん、こんにちは。

新潟は数年前、震災に遭った山古志村でしたね。
同村(現・長岡市か)の復興で、闘牛が村民を勇気づけたというニュースを見たような記憶があります。
2009/05/17(Sun) 11:51 | URL  | 桐野作人 #hxjklqKc[ 編集]
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