歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
14日(土)午前中、表題の大会に出席するため、横浜方面に出かける。
会場は神奈川県立公文書館(横浜市旭区)。

相鉄線二俣川駅が最寄り駅だった。駅から徒歩17分とある。
バスが出たばかりだったので、歩いていったが、これがとても遠かった。
折から暖かい日だったので、着いたら汗ビッショリになった。

ほんとは午前11時頃に着きたかったが、雑用をしているうちに遅くなってしまい、12時過ぎになってしまった。
お昼休みだったせいか、所蔵史料の展示室が閉まっており、職員の方に無理をいって開けてもらう。申し訳ない。
同館所蔵の膨大な山口八十八コレクションの一部を展示してあった。
坂本龍馬や西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允など垂涎の書簡が並べてある。
とくに以前から関心のあったアーネスト・サトウの吉井幸輔宛て書簡を初めて実見。写真版では見ていたが、本物は初めて。
サトウがくずし字で書いた手紙なのだ。当時のイギリス人が日本語を解するだけでなく、くずし字まで書いていたのには、素直に驚く。しかも、くずし字のお手本のような基本に忠実なくずし字。
サトウの語学能力は改めてすごいと感じ入る。

さて、午後から3本の報告があった。

1 岸本覚氏:大名家の先祖顕彰と政治改革
2 白石烈氏:幕末政治と対外危機認識の変遷
3 天野嘉子氏:井上毅と参事院―フランスの諸規定と「参事院章程」の比較を中心に―


どれも興味深かったが、1は以前、歴研大会でも藩祖顕彰における長州本藩と長府藩の確執として聴いた覚えがあった。『陰徳太平記』もその文脈で理解すべきだと知らされ、これまた素直に驚いた覚えがある。いわゆる長州藩の天保改革の立役者である村田清風がこうした顕彰事業に関わっていたことを知る。

個人的に面白かったのは2である。
幕末期において、欧米列強の干渉を受けないために、幕府や諸藩などの間で、いわゆる「内乱回避」が共通理解になっていたか、従来の学説を批判・検討する趣旨。
結論的には、薩摩藩などが内乱をむしろ政治的手段として活用することを考えていたというもので、非常に納得した。私も以前からそのように考えていたが、その裏付けをしてもらった感じ。

終了後、近くの中華料理店で懇親会。
出席者の3分の2が参加するという歩留まりのよさ。大所帯の宴会となり、盛り上がる。
旧知のM川さん、M田さん、N村さん、T野さんらと同じ卓を囲んで話もはずんだが、中途で同会事務局長の勝田先生から、挨拶するようにと耳打ちされる。
「聞いてないよ」
という感じだったが、致し方なく最近の雑感を話した。おそらく支離滅裂だったことだろう。

少し話した内容と関わるが、個人的には幕末維新期の重要人物たちの居所論に関心あり。
何より、ある人物がいつ、どこで、なにをしていたのかという基本的な事実を知るのに都合がよいだけでなく、幕府や諸藩の在京重役たちが京都と国許の往復に何らかのローテーションがあるのかどうか、また在京重役の構成の違いによって、意志決定のあり方に変化が生じるのかどうか。また周旋の相手や頻度により、当該勢力の政治方針の変遷を定量的に析出できるのではと思っている。
すでに織豊期や近世初期においては研究が進んでいる。この居所論はむしろ幕末維新期こそ必要ではないかという気がしている。

帰路、N村さんを神田のホテルまで見送る。
電車の中でT野さんから貴重なお話をうかがう。

よろしければ、下記をクリックして下さい。
人気ブログランキング

 
スポンサーサイト

【2009/11/17 16:45】 | イベント
トラックバック(0) |

先日はありがとうございました
小林 哲也
桐野先生、こんにちは!はじめてコメントします。東京龍馬会の小林哲也(車椅子)です。先日は久しぶりにお会いできて本当に嬉しかったです。先生に触発されて小松や木戸・龍馬の記録などを読み自分なりに勉強しております。毎回このブログも楽しくよまさせていただいております。

今後ともよろしくお願い致します。
                 小林 哲也

瑞山の書状
市野澤
こんばんわ。
本日は書き込みが多く、ご迷惑をお掛けします。

幕末は専門外の私ですが、桐野さんの提起にはなるほどと考えさせられました。

以下、題目から外れますが、11月13日(金)の読売新聞に掲載された高知市の土佐山内家博物資料館で見つかった武市瑞山が切腹直前に獄中から仲間に送ったと見られる書状の内容は久々に心に響きました。
武市が「実に」を4度重ねているのには、私も無念だったろうなと思いました。

来年は大河の効果から、このような発見が多いと嬉しいです。

ちなみに13日から同館の特別展で公開されるそうです。

頑張って下さい
桐野
小林哲也さま、こんばんは。

維新史学会でおめにかかるとは思いませんでした。
勉強熱心ですね。
ぜひテーマを決めて、論文をものして下さい。
楽しみにしています。

実に実に実に実に
桐野
市野澤さん、こんばんは。

ご紹介の武市書簡、私もネット記事で読んでおりました。
たしかに、無念さが伝わってきますね。
来年の大河でどんな風に描かれるか楽しみです。

コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
先日はありがとうございました
桐野先生、こんにちは!はじめてコメントします。東京龍馬会の小林哲也(車椅子)です。先日は久しぶりにお会いできて本当に嬉しかったです。先生に触発されて小松や木戸・龍馬の記録などを読み自分なりに勉強しております。毎回このブログも楽しくよまさせていただいております。

今後ともよろしくお願い致します。
                 小林 哲也
2009/11/17(Tue) 20:17 | URL  | 小林 哲也 #-[ 編集]
瑞山の書状
こんばんわ。
本日は書き込みが多く、ご迷惑をお掛けします。

幕末は専門外の私ですが、桐野さんの提起にはなるほどと考えさせられました。

以下、題目から外れますが、11月13日(金)の読売新聞に掲載された高知市の土佐山内家博物資料館で見つかった武市瑞山が切腹直前に獄中から仲間に送ったと見られる書状の内容は久々に心に響きました。
武市が「実に」を4度重ねているのには、私も無念だったろうなと思いました。

来年は大河の効果から、このような発見が多いと嬉しいです。

ちなみに13日から同館の特別展で公開されるそうです。
2009/11/17(Tue) 20:50 | URL  | 市野澤 #-[ 編集]
頑張って下さい
小林哲也さま、こんばんは。

維新史学会でおめにかかるとは思いませんでした。
勉強熱心ですね。
ぜひテーマを決めて、論文をものして下さい。
楽しみにしています。
2009/11/18(Wed) 22:14 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
実に実に実に実に
市野澤さん、こんばんは。

ご紹介の武市書簡、私もネット記事で読んでおりました。
たしかに、無念さが伝わってきますね。
来年の大河でどんな風に描かれるか楽しみです。
2009/11/18(Wed) 22:15 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック