歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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今年初めての講座に立てつづけに出講。

12日(火)が小学館アカデミー「てらこや」。
13日(水)が武蔵野大学市民講座。

「てらこや」のほうは「小松帯刀と幕末薩摩藩」シリーズの第9クール。
第1回のテーマは表題のとおりです。

慶応3年(1868)10月の大政奉還以降の京都政局を見ていく予定ですが、今回は将軍慶喜の大政奉還が各方面にどのような波紋を投げかけたのか、とくに討幕派公家と薩摩藩に与えた影響を見ていきました。

西郷・大久保らと盟友で薩摩藩討幕派の代表的な人物である伊地知正治や吉井幸輔が慶喜の大政奉還を高く評価していることを確認しました。とくに伊地知は慶喜を内大臣として諸侯の上に置くことを主張しています。また再上京してきた大久保が討幕の密勅見合わせ沙汰書を見せられて、武力挙兵を当面棚上げにし、大政奉還を前提に王政復古を平和的に進めることを承認して、条件付きながら対幕協調路線に回帰したことも確認しました。
このあたりの政治過程は一般にほとんど知られておらず、薩摩藩は一直線に倒幕挙兵に突き進んだと見られていますが、決してそんなことはありません。この点は強調してもしすぎることはありません。
薩摩藩は武力討幕派、坂本龍馬や土佐藩・越前藩などは平和的大政奉還派といった紋切り型の決めつけは史実にそぐわないですから、認識を改めたほうがいいでしょう。
次回は坂本龍馬の新官制擬定書と新政府綱領八策について検討する予定です。


武蔵野大学の市民講座は昨秋から続けている「太田牛一『信長記』を読む」の第6回。
「桶狭間合戦前夜」と題して、鳴海・大高両城周辺における織田・今川双方の動きを追いました。
とくに天理本「信長記」を紹介して、テキストに使っている陽明本(史籍集覧本)との叙述の違いを見ていき、新しい情報が得られることを確認して、桶狭間合戦の解明にも有効であることを強調しました。
次回はいよいよ桶狭間合戦の本番をやります。

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【2010/01/16 13:15】 | てらこや
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何故でしょう?
市野澤
こんにちわ。

>薩摩藩は一直線に倒幕挙兵に突き進んだと見られていますが、決してそんなことはありません。

この点は、大河ドラマ「龍馬伝」も従来の史観に沿った描かれ方になりそうな気がします。昨年から巷に「龍馬伝」のあやかり本が書店に並んでいますが、高橋裕文氏の「武力倒幕方針をめぐる薩摩藩内反対派の動向」(『もう一つの明治維新』)といった論文の成果が反映されていないのが大半ですね。不思議で仕方がありません。
不勉強の一言では片づけられない問題を感じます。

>薩摩藩は武力倒幕派、坂本龍馬や土佐藩・越前藩などは平和的大政奉還派といった紋切り型の決めつけは史実にそぐわない
同感です。
時代は違いますがは関ヶ原合戦における東西に分かれた両軍を武断派VS吏僚派、尾張派VS近江派という形で分類されるのに類似していますね。
話は変わりますが、ご懸案の小松帯刀の新書はまだ先になりそうでしょうか?
楽しみにしています。

関心はただ一点
桐野
市野澤さん、こんばんは。

私もじつは「龍馬伝」で興味があるのは、慶応三年後半の政局とそれへの龍馬の関わり、そして近江屋事件をどう描くか、にしかないといっても過言ではありません。

高橋裕文氏の「武力倒幕方針をめぐる薩摩藩内反対派の動向」については、私も少しやりとりしたことがあります。まことに興味深い論考ですが、見解を異にしている部分が大きいです。とくに小松帯刀の評価に関して。
小松帯刀本については、各方面から問い合わせがあります。私の未熟の致すところでして、申しわけありませんが、もう少しお待ち下さい。

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何故でしょう?
こんにちわ。

>薩摩藩は一直線に倒幕挙兵に突き進んだと見られていますが、決してそんなことはありません。

この点は、大河ドラマ「龍馬伝」も従来の史観に沿った描かれ方になりそうな気がします。昨年から巷に「龍馬伝」のあやかり本が書店に並んでいますが、高橋裕文氏の「武力倒幕方針をめぐる薩摩藩内反対派の動向」(『もう一つの明治維新』)といった論文の成果が反映されていないのが大半ですね。不思議で仕方がありません。
不勉強の一言では片づけられない問題を感じます。

>薩摩藩は武力倒幕派、坂本龍馬や土佐藩・越前藩などは平和的大政奉還派といった紋切り型の決めつけは史実にそぐわない
同感です。
時代は違いますがは関ヶ原合戦における東西に分かれた両軍を武断派VS吏僚派、尾張派VS近江派という形で分類されるのに類似していますね。
話は変わりますが、ご懸案の小松帯刀の新書はまだ先になりそうでしょうか?
楽しみにしています。
2010/01/21(Thu) 12:22 | URL  | 市野澤 #-[ 編集]
関心はただ一点
市野澤さん、こんばんは。

私もじつは「龍馬伝」で興味があるのは、慶応三年後半の政局とそれへの龍馬の関わり、そして近江屋事件をどう描くか、にしかないといっても過言ではありません。

高橋裕文氏の「武力倒幕方針をめぐる薩摩藩内反対派の動向」については、私も少しやりとりしたことがあります。まことに興味深い論考ですが、見解を異にしている部分が大きいです。とくに小松帯刀の評価に関して。
小松帯刀本については、各方面から問い合わせがあります。私の未熟の致すところでして、申しわけありませんが、もう少しお待ち下さい。
2010/01/24(Sun) 21:43 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
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