歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
「龍馬伝」第3回「偽手形の旅」

前回は忙しくてスルーしてしまいました。
タイトルがなぜ「大器晩成?」だったのか、ずっと気になっていたのですが、どうも第1回にチラリと登場した坂崎紫瀾が書いた『維新土佐勤王史』の龍馬の子供時代の記事に「彼が所謂大器晩成の事実なりとす」という一節から採ったのでしょうか? まあ、33歳の生涯であれだけのことを成しえたのは大器晩成ではないような気もしますが。

第1回から感じていたのですが、このドラマが採用したカメラは緑の表現、発色が印象的ですね。非常に深みのある色が出ています。
それと、土佐の植物生態系をどこまで意識しているのかわかりませんが、またロケ地がどこなのか知りませんが、蘇鉄がよく出てきます。いかにも南国土佐の風情を示していますが、個人的にはとても懐かしい感じがします。私の郷里薩摩も蘇鉄がたくさんあったからです。

さて、ドラマは龍馬が江戸に剣術修行に行くことになりました。
郷士の坂本家は家老福岡家の支配下にあったので、江戸行きの願書は福岡家に提出し、同家から道中手形などが支給されています。
願書を提出したのが嘉永6年(1853)3月4日で、許可が出たのが同16日。出発が翌17日です。

父八平が龍馬に与えた修行心得三カ条の書付は「守」と題して『維新土佐勤王史』などに収録されていますね。それらしいものがあったのでしょう。

龍馬が出立するとき、見送ってくれたのはドラマでは平井加尾だけでしたが、家族親族が多数、城下郊外の領石村まで見送ったそうです。
ところが、途中で龍馬が行方不明になり、親戚の山本琢磨が探したところ、途中、知り合いの家で錦絵を見ていたそうです。

偽手形で一緒について行った岩崎弥太郎ですが、これはフィクションですね。
弥太郎が学問修行のため江戸に出るのはもう少しあとです。
それと、龍馬と弥太郎の関係ですが、おそらく慶応3年(1867)に長崎で出会うまで、接点はないのではないかと思います。詳しく調べたわけではありませんが。
接点があるとすれば、弥太郎が吉田東洋の塾に入った頃ですが、門弟はほとんど上士ですし、ほどなく龍馬も脱藩しますから、接点があったかどうか微妙なところですね。
その代わり、池内蔵太や近藤長次郎は弥太郎から漢学を学んでいます。

第1回から弥太郎と父弥次郎が竹製の鳥かごを背中に背負っている場面がよく出てきます。あれは弥次郎がのちに庄屋との紛争で体が不自由になってから、内職でヒゴ削りをして鳥かごを作ったことに基づいているのでしょう(『岩崎弥太郎伝』上)

龍馬と弥太郎の呉越同舟はフィクションですけど、ドラマの構成上、なかなか面白いプロットだったかもしれません。

次回は江戸ですね。
千葉佐那の登場が楽しみです。

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【2010/01/17 22:02】 | 龍馬伝
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映像の件
忍っこ
桐野先生が気にしておられた龍馬伝の映像の件ですが
今回の「龍馬伝」の撮影では、大河ドラマでは初めての
「プログレッシブカメラ(通称30Pカメラ)」という機材を
使用し従来の映像に比べて、深みのある映像に仕上げているそうです。
詳しくはURLに入れときました。その6に撮影カメラの
詳細があります。
それと、よくベアトの写真に出てくるような人物が登場しますが、
これにもこだわりがあるそうでして、リアルさが増しているようです。
たとえばこんな写真↓
http://lib.u-air.ac.jp/koshashin/HSD10163.JPG


プログレッシブカメラ
桐野
忍っこさん、こんばんは。

ご教示有難うございます。
私も第1回のコメント部分で書いておきましたが、詳しい説明がありましたね。

ベアトの写真を参考にしたというのも面白いですね。
たしか生麦村の風景もベアトだったような。


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この記事へのコメント
映像の件
桐野先生が気にしておられた龍馬伝の映像の件ですが
今回の「龍馬伝」の撮影では、大河ドラマでは初めての
「プログレッシブカメラ(通称30Pカメラ)」という機材を
使用し従来の映像に比べて、深みのある映像に仕上げているそうです。
詳しくはURLに入れときました。その6に撮影カメラの
詳細があります。
それと、よくベアトの写真に出てくるような人物が登場しますが、
これにもこだわりがあるそうでして、リアルさが増しているようです。
たとえばこんな写真↓
http://lib.u-air.ac.jp/koshashin/HSD10163.JPG
2010/01/17(Sun) 23:13 | URL  | 忍っこ #i6S8jvBo[ 編集]
プログレッシブカメラ
忍っこさん、こんばんは。

ご教示有難うございます。
私も第1回のコメント部分で書いておきましたが、詳しい説明がありましたね。

ベアトの写真を参考にしたというのも面白いですね。
たしか生麦村の風景もベアトだったような。
2010/01/18(Mon) 23:23 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
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第2回でかなり視聴率が下がってしまった『龍馬伝』。 早くも20%維持に危険信号が灯っています。幕末は鬼門なのでしょうか? ドラマ自体のつくりはすばらしいと思うのですがね。 時代は嘉永6年(1853)、いよいよ龍馬が江戸に向けて出立します。 龍馬と加尾の微妙な関係。
2010/01/18(Mon) 01:05:51 |  shugoroの日記