歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
「龍馬伝」第8回。

前回は高知にいながら、イベント二次会のため、見のがしてしまいました。
弥太郎の江戸遊学がかなったはずですが、安積艮斎や安政の大地震は出てこなかったのでしょうね。

今回も創作がつづいていますね。
まあ、この時期の龍馬と弥太郎のからみはすべて創作ですから、あまりコメントすることもないのですが、2点だけ。

ひとつは、弥太郎の父弥次郎の怪我についてです。
『岩崎弥太郎伝』によれば、喧嘩相手が庄屋の島田便右衛門で、その理由が村の用水問題に起因しているというのは、ほぼその通りのようですね。
ほかにも理由があったようで、村の年貢引当のための共同耕作地から穫れる取入米を管理しているのは庄屋や村の年寄役で、これに便右衛門のほか、岩崎家の分家である鐵吾や寅之助が関わっており、取入米の扱いをめぐって専断や不正があったらしいです。ストーリーをわかりやすくするために、こちらのほうは端折ってありましたね。
弥次郎は分家の面々と仲が悪かったらしく、この諍いはむしろ村を支配する岩崎一族間の内紛という側面もありそうです。

また、ドラマでは岩崎家に代わって龍馬が各方面に奔走していましたが、実際は弥次郎の妻、美和が激怒して、あれこれ動いたようです。しかし、同族の鐵吾や寅之助が便右衛門に味方していたため、徒労に終わっています。

余談ですが、便右衛門の大柄な手下に、どこかで見たような顔がありました。新日本プロレスの中西学じゃなかったですか? 弥次郎を袋叩きにした便右衛門の手下に田舎角力の彦右衛門という者がいたとあるので、さしずめ、この役でしょうか?

次に弥太郎の投獄ですが、訴訟となったとき、弥太郎がひそかに役所の壁に

官以賄賂成
獄因愛憎決


と大書したと同書にあります。
ドラマもこれに倣ったのでしょうが、果たして事実かどうかは判断が難しいようですね。

また、当然ながら、龍馬と弥太郎が吉田東洋に訴え出たというのは創作です。
これはのちに弥太郎が東洋の塾に入門することの伏線でしょうかね?
それに、饅頭屋の近藤長次郎が龍馬に安芸郡の奉行が便右衛門から賄賂をもらっているとささやいたのも、のちに長次郎が弥太郎の門弟になることの伏線でしょうか?

20年前に安芸郡井ノ口村(現・安芸市)の岩崎弥太郎旧宅を訪れたことがあります。そのときの写真を載せておきます(ポジフィルムをスキャンしたので画質がいまいちです)。大三菱が管理しているので、よく整備されていますが、それでも、ドラマの貧乏ぶりとは異なりますね。

旧宅
弥太郎旧邸
日本列島
弥太郎旧宅にある有名な日本列島の石組み



弥太郎銅像
弥太郎銅像(安芸市江の川公園)





それと、平井収二郎が妹の加尾に、龍馬とはもう仲間じゃないから付き合うなと申し渡していましたが、どうなんでしょう?
龍馬と半平太・収二郎がこの時期に決裂したとはとても思えないのですが……。
ドラマでは、この間ずっと龍馬を飄々とした人物に造形していますが、当時どこにでもいた普通の攘夷青年だったと思うのですが。土佐勤王党に龍馬が加盟することとの整合性は大丈夫なんでしょうかね?

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【2010/02/22 00:32】 | 龍馬伝
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忍っこ
桐野先生こんにちは
田舎角力は、まさに中西学でしたね
しかし、創作を積み重ねて
後半に影響が出なければいいのですが
前回の話しで龍馬は河田小龍に会いに行く・・まではいいのですが
なんと河田小龍(リリーフランキー)が坂本家に上がり込んで
病に伏している龍馬の父、八平と話したり、絵を描いたり
まるで実家にでも帰ったかのような振舞い
挙句に「この家は実によろしい」などと言っています。
こういうのもアリ、なんですね トホホ

河田小龍
桐野
忍っこさん、こんにちは。

河田小龍にそこまでさせたのですか(驚)。

龍馬が小龍に教えを乞うたのは、もちろん小龍の新知識ゆえですが、それも薩摩藩視察にもよっているんですけどね。
小龍は島津斉彬の集成館事業を視察しています。そのあたりも描いたらよかったですが……。

もっとも、小龍の薩摩行きはもう少し後か?

あれっ?
市野澤
こんばんわ。

桐野さん、もしかしてプロレス好きですか?

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コメント
この記事へのコメント
桐野先生こんにちは
田舎角力は、まさに中西学でしたね
しかし、創作を積み重ねて
後半に影響が出なければいいのですが
前回の話しで龍馬は河田小龍に会いに行く・・まではいいのですが
なんと河田小龍(リリーフランキー)が坂本家に上がり込んで
病に伏している龍馬の父、八平と話したり、絵を描いたり
まるで実家にでも帰ったかのような振舞い
挙句に「この家は実によろしい」などと言っています。
こういうのもアリ、なんですね トホホ
2010/02/22(Mon) 16:22 | URL  | 忍っこ #i6S8jvBo[ 編集]
河田小龍
忍っこさん、こんにちは。

河田小龍にそこまでさせたのですか(驚)。

龍馬が小龍に教えを乞うたのは、もちろん小龍の新知識ゆえですが、それも薩摩藩視察にもよっているんですけどね。
小龍は島津斉彬の集成館事業を視察しています。そのあたりも描いたらよかったですが……。

もっとも、小龍の薩摩行きはもう少し後か?
2010/02/22(Mon) 17:53 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
あれっ?
こんばんわ。

桐野さん、もしかしてプロレス好きですか?
2010/02/23(Tue) 17:59 | URL  | 市野澤 #-[ 編集]
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仕事は一生懸命やっているのに、複数重なってしまい終わりきらないもの多数。 でも、競馬と龍馬だけはテレビ休憩しているって、このぐらいの息抜きがないとね~。 前回で視聴率20.2%と20%切りにリーチがかかってしまった『龍馬伝』。 いえ、作品のデキは『天地人』とは月
2010/02/22(Mon) 01:23:48 |  shugoroの日記