歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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告知が遅くなりましたが、今週月曜日の新聞連載「さつま人国誌」は休刊日のため、お休みでした。

この間、友人の研究者から、いくつか論著をいただきました。
いつもながら、有難うございます。
ご紹介することでご好意御礼に代えたいと思います。

大西泰正氏より
「宇喜多秀家と豊臣政権」 『年報赤松氏研究』3号 2010年3月

私も以前から興味をもっていましたが、五大老の一人で豊家家門でもある秀家の政権内での位置づけはなかなか難しそうだとわかりました。史料もあまりないようです。
豊臣政権論のなかで、宇喜多氏ならびに秀家は今後も大きな課題だと感じました。


平野明夫氏より
「足利義氏の元服式」 『葛西城と古河公方足利義氏』 葛飾区郷土と天文の博物館編 雄山閣 2010年

苦手な関東戦国史ですが、足利義氏についても、北条氏康が(上杉謙信との対抗上)擁立した古河公方ということぐらいしか知りません(汗)。
この論文は義氏の元服式を通じて、氏康が関東管領ではなかったことを論証したものです。
関東の公方―管領体制を再考しようとしています。


黒嶋敏氏より
「島津侵入事件再考」 『中世はどう変わったか』 小野正敏・五味文彦・萩原三雄編 高志書院 2010年
「琉球王朝由緒と源為朝」 『由緒の比較史』 歴史学研究会編 青木書店 2010年

前論は島津氏の琉球侵攻に関する考察です。
島津側の史料が琉球王朝側の史料と突き合わせる作業で、よく読み解けることがわかりました。
とくに、『旧記雑録後編』所収史料についての年次比定の再検討は勉強になりました。
後論は、羽地朝秀の『中山世鑑』から生まれた琉球王朝が源為朝を祖とする伝説についての考察。
江戸時代初期の成立というのが重要なようで、徳川将軍家の清和源氏由緒や薩摩島津家の頼朝落胤説との同時代性が興味深かったです。


堀 新氏より
「東アジア国際関係に見る壬辰倭乱」 『壬辰倭乱と東アジア世界の変動』 韓日文化交流基金・東北アジア歴史財団シンポジウム 韓国・景仁文化社 2010年

堀氏の織豊王権論を日韓の歴史研究者合同のシンポでわかりやすく概説されたもの。
信長の大陸侵略構想や秀吉の三国国割構想とその頓挫などが紹介されている。
余談だが、本書は韓国側が日本語とハングルで刊行したもので、日本語は画数の多い旧字が多用されていて、かつて編集者時代、韓国に発注していた活版印刷の頃を思い出した。

白川宗源氏より
「喫茶文化史における闘茶の意義―バサラの検討をとおして―」 『鎌倉遺文研究』25号 鎌倉遺文研究会編集 2010年

輪読会に新たに参加された白川氏から拝受。
佐々木道誉・土岐頼遠・高師直らにまとわりつく「バサラ」のイメージを覆す論旨に驚く。
闘茶のことも勉強させてもらいました。


弓削政己氏より
『大和村誌』 大和村誌編纂委員会編集 大和村発行 2010年

奄美諸島の近世・近代史研究をリードしている弓削氏から受贈。
奄美本島にある大和村の自治体史です。
弓削氏は前近代の薩摩藩政史と近現代の歴史を担当。
島津氏の琉球侵攻以降の奄美の歴史がよくわかります。
弓削氏は島津氏による奄美支配を外部の視点だけでなく、奄美諸島の内部から構造的に把握する視点を強調しておられる。
弓削氏は自治体史や論文などたくさん執筆しておられるが、ぜひ単著の形でまとめていただきたいと思っているのは私だけではないだろう。

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【2010/08/12 10:24】 | 新刊
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関東管領
謙信
 足利義輝の要請で、関東管領・山内憲正から後継ぎを依頼されていた長尾景虎(上杉謙信)が、北条と足利持氏を古河御所から追い出し、正当な後継ぎとされる足利藤氏を入れた。
そして1561年、鎌倉鶴岡八幡宮にて長尾景虎は、正式に関東管領と上杉姓を相続。上杉憲政の一字を賜って上杉政虎(まさとら)を名乗る。
 以上と習いました。

追記 足利持氏は足利義氏だったのですかね。覚え間違いをしていました。


とらさん
ごぶさたです。
堀先生の論文は拝見したいですね。
自分はまったくのシロウトで恐縮ですが、最近知り合った方が、古代史にお詳しくて韓国にもよく行かれるというのですよね。
信長や秀吉の構想、そういったものがどのように解釈されているかには関心があります。
今後の影響、といった意味合いも強いのですけどね。

名古屋は暑いです、がんばって下さい。

堀新氏の本
桐野
とらさん、こんにちは。

堀さんのは、紹介した論文よりも、単行本のほうが読みやすいかもしれません。念のため書いておきます。

堀新『天下統一から鎖国へ』 日本中世の歴史7 吉川弘文館 2.600円+税


ありがとうございます
zeigen
いつもお世話になっております。
拙稿の紹介、ありがとうございました。

たえず史料蒐集には意を用いておりますが、
決定打となるようなものが少なく、ご指摘の通り、やや苦しい議論となっています。お恥ずかしい限りです。

また、いろいろとご教示のほどお願い申し上げます。

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関東管領
 足利義輝の要請で、関東管領・山内憲正から後継ぎを依頼されていた長尾景虎(上杉謙信)が、北条と足利持氏を古河御所から追い出し、正当な後継ぎとされる足利藤氏を入れた。
そして1561年、鎌倉鶴岡八幡宮にて長尾景虎は、正式に関東管領と上杉姓を相続。上杉憲政の一字を賜って上杉政虎(まさとら)を名乗る。
 以上と習いました。

追記 足利持氏は足利義氏だったのですかね。覚え間違いをしていました。
2010/08/13(Fri) 04:52 | URL  | 謙信 #KVSV0Bf2[ 編集]
ごぶさたです。
堀先生の論文は拝見したいですね。
自分はまったくのシロウトで恐縮ですが、最近知り合った方が、古代史にお詳しくて韓国にもよく行かれるというのですよね。
信長や秀吉の構想、そういったものがどのように解釈されているかには関心があります。
今後の影響、といった意味合いも強いのですけどね。

名古屋は暑いです、がんばって下さい。
2010/08/13(Fri) 22:47 | URL  | とらさん #-[ 編集]
堀新氏の本
とらさん、こんにちは。

堀さんのは、紹介した論文よりも、単行本のほうが読みやすいかもしれません。念のため書いておきます。

堀新『天下統一から鎖国へ』 日本中世の歴史7 吉川弘文館 2.600円+税
2010/08/15(Sun) 19:35 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
ありがとうございます
いつもお世話になっております。
拙稿の紹介、ありがとうございました。

たえず史料蒐集には意を用いておりますが、
決定打となるようなものが少なく、ご指摘の通り、やや苦しい議論となっています。お恥ずかしい限りです。

また、いろいろとご教示のほどお願い申し上げます。
2010/08/22(Sun) 21:17 | URL  | zeigen #RE2niBsI[ 編集]
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