歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
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友人の研究者のお二人から、新刊を頂戴した。
お礼申し上げます。

中村武生『中村武生と歩く洛中洛外』
京都新聞出版センター、2010年10月刊
詳しくはここにあります。

昨年から京都新聞に毎週連載されていた人気コラムを一冊にまとめたもの。
京都といえば、平安京や郊外の寺社が有名だが、本書はあまり注目されていない近世・近代の京都の知られざる史跡や、知ってはいても別の見方ができる史跡などを中村武生流の歯切れのよい切り口で紹介してくれる。
担当記者との問答形式になっていて、とても読みやすい。また写真が凝っていて、これまたよい。
全頁カラーとなっており、版元の意気込みも感じられる。
京都市の11の区をまんべんなく回っており、歩く楽しみも教えてくれます。
歩く歴史地理史学者、中村武生さんの本領発揮です。


町田明広『幕末文久期の国家政略と薩摩藩―島津久光と皇政回復―』
岩田書院、定価8.400円+税 2010年10月刊
まだ発売になっていないようで、版元サイトやアマゾンなどに本書の紹介記事はまだアップされていないようです。アップされたら改めて掲載します。

本書は町田さんの学位論文に大部の新稿(第五章)を加えた意欲作です。
章と節の目次を紹介しておきます。

序章
 第一節 本書の分析視角
 第二節 本書の構成

第一章 率兵上京と「皇政回復」
 はじめに
 第一節 久光の上京政略と「皇政回復」
 第二節 「皇政回復」とその位相
 第三節 率兵上京を巡る中央政局
 第四節 尊王志士と寺田屋事件
 小括

第二章 朝廷改革派の形成と「文久二年政変」
 はじめに
 第一節 大原勅使派遣および久光供奉運動
 第二節 朝廷人事改革と改革派廷臣の派生
 第三節 四奸二嬪排斥運動と近衛関白の動向
 小括

第三章 朔平門外の変―その背景と影響
 はじめに
 第一節 久光上京前後の中央政局
 第二節 事変の経緯と薩摩藩への嫌疑
 第三節 事変後の政局における中川宮
 第四節 事変の首謀者―滋野井公寿・西四辻公業の関与
 第五節 姉小路公知暗殺の事由―勝義邦との邂逅
 小括

第四章 八月十八日政変―中川宮と久光の連携
 はじめに
 第一節 久光召命問題と朔平門外の変
 第二節 薩英戦争後の久光上京政略
 第三節 政変諸相における高崎正風の動向
 第四節 久光名代としての中川宮
 小括

第五章 朝政参与と慶喜・久光の相克
 はじめに
 第一節 政変後の中央政局と久光の上京
 第二節 孝明天皇の諮問と政変前後の国体論
 第三節 朝政参与と薩摩藩の周旋
 第四節 朝政の転換と久光の挫折
 小括

終章
あとがき

う~ん、途中でやめようかと思うほど、タイピングが大変でした(爆)。
それくらい構成も緻密に練られています。
町田さんが文久政局を理解するキーワードとする久光の「皇政回復」は「天皇親政」ではなく、徳川公儀体制の容認を前提として、そのなかで自身の主導性を確保する試みだったと思われます。率兵上京もそれを実現するための示威的実力行使であり、やはり有馬新七や真木和泉らの天皇親政を目指す武力挙兵路線とは一線を引いたものだったと思われます。
文久以降の薩摩藩は久光を抜きに考えられません。久光の存在はもっと評価されてしかるべきだと感じます。
なお、今後の見通しとして、久光の「皇政回復」が「一会桑」勢力に敗北する元治政局へと転換していくことになるのでしょうか? 続編も楽しみにです。

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【2010/10/17 09:28】 | 新刊
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