南日本新聞連載「さつま人国誌」第178回
―太宰府での失態を恥じて―
連載が更新になりました。
同紙サイトのここか、右のリンク欄「さつま人国誌」をクリックすればご覧になれます。
今回はあまり知られていない人物を取り上げました。
桐野利秋の知友として、名前だけは私も知っていましたが、彼が鳥羽伏見の戦いで戦死するに至るいきさつというか遠因までは知らずにいました。
たまたま昨年の小学館アカデミー講座「てらこや」で、中岡慎太郎の日記を読んでいたとき、参考史料として,土方久元『回天実記』と、五卿の一人、東久世通禧の日記を読んだら、伊集院金次郎の失態が具体的に書かれていて、非常に興味が惹かれました。それで、当連載で書いてみようという気になりました。
彼の戦死の記録は、京都相国寺塔頭の林光院墓所にある薩摩藩戦死者の石碑に刻まれています。また『忠義公史料』にも戦死公報のような記事があります。
ところが、彼がどのようにして戦死したのか、斬られたのか、突かれたのか、射たれたのかといった情報も見つけられませんでした。彼は小銃一番隊の小頭見習で、桐野利秋と同役、同僚です。しかし、戊辰戦争に従軍した薩摩藩諸隊の戦闘報告をまとめた『薩藩出軍戦状』のなかの小銃一番隊の報告にも彼の名前すら出てきません。
あとは活字化されていない史料にあたるしかないかなと思っているところです。
でも、ある程度推測はつきます。
彼が鳥羽伏見の戦いが開戦した正月3日に戦死していること。また戦死した場所が伏見奉行所近辺だとわかっていますから、おそらく開戦直後に会津藩や新選組との近接戦闘で戦死したのでしょう。おそらく開戦してそれほど時間が経っていないうちだと思います。
彼が例の不始末を胸に刻んで、いざ開戦となれば、まっ先に戦死する覚悟でいたのではないかと推定されます。
なんというか、武士の哀しさを感じさせますし、いかにも薩摩兵児だという気もします。
伏見での戦いといえば、都城隊の悲劇もありましたね。
次回も薩摩武士の哀しさをテーマにしようと思っています。
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―太宰府での失態を恥じて―
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今回はあまり知られていない人物を取り上げました。
桐野利秋の知友として、名前だけは私も知っていましたが、彼が鳥羽伏見の戦いで戦死するに至るいきさつというか遠因までは知らずにいました。
たまたま昨年の小学館アカデミー講座「てらこや」で、中岡慎太郎の日記を読んでいたとき、参考史料として,土方久元『回天実記』と、五卿の一人、東久世通禧の日記を読んだら、伊集院金次郎の失態が具体的に書かれていて、非常に興味が惹かれました。それで、当連載で書いてみようという気になりました。
彼の戦死の記録は、京都相国寺塔頭の林光院墓所にある薩摩藩戦死者の石碑に刻まれています。また『忠義公史料』にも戦死公報のような記事があります。
ところが、彼がどのようにして戦死したのか、斬られたのか、突かれたのか、射たれたのかといった情報も見つけられませんでした。彼は小銃一番隊の小頭見習で、桐野利秋と同役、同僚です。しかし、戊辰戦争に従軍した薩摩藩諸隊の戦闘報告をまとめた『薩藩出軍戦状』のなかの小銃一番隊の報告にも彼の名前すら出てきません。
あとは活字化されていない史料にあたるしかないかなと思っているところです。
でも、ある程度推測はつきます。
彼が鳥羽伏見の戦いが開戦した正月3日に戦死していること。また戦死した場所が伏見奉行所近辺だとわかっていますから、おそらく開戦直後に会津藩や新選組との近接戦闘で戦死したのでしょう。おそらく開戦してそれほど時間が経っていないうちだと思います。
彼が例の不始末を胸に刻んで、いざ開戦となれば、まっ先に戦死する覚悟でいたのではないかと推定されます。
なんというか、武士の哀しさを感じさせますし、いかにも薩摩兵児だという気もします。
伏見での戦いといえば、都城隊の悲劇もありましたね。
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ぽん助 半次郎と仲の良かった伊集院金次郎は僕も気になっていましたが取り上げて頂いて嬉しいです。
次回も楽しみにしています。
どうも
桐野 ぽん助さん
コメント有難うございます。
伊集院金次郎は名前が知られていないだけで、史料を探せば、いろいろ出てくるかもしれませんね。それにしても、彼の最期の様子を具体的に記した記録がないのが残念です。
この記事へのコメント
半次郎と仲の良かった伊集院金次郎は僕も気になっていましたが取り上げて頂いて嬉しいです。
次回も楽しみにしています。
次回も楽しみにしています。
2011/01/20(Thu) 18:39 | URL | ぽん助 #-[ 編集]
ぽん助さん
コメント有難うございます。
伊集院金次郎は名前が知られていないだけで、史料を探せば、いろいろ出てくるかもしれませんね。それにしても、彼の最期の様子を具体的に記した記録がないのが残念です。
コメント有難うございます。
伊集院金次郎は名前が知られていないだけで、史料を探せば、いろいろ出てくるかもしれませんね。それにしても、彼の最期の様子を具体的に記した記録がないのが残念です。
2011/01/21(Fri) 16:46 | URL | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
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