歴史作家桐野作人のブログ                                      織田信長と島津氏・薩摩藩・幕末維新を中心に歴史にまつわる身辺雑記
本能寺の変でした。
トヨエツ信長の退場は思ったより早かったですね。

江が生霊となって本能寺に現れたり、伊賀越えに同行するなんて、ナンセンスもいいところで脱力感いっぱいです。

光秀が天正10年(1582)5月20日に安土で信長に会ってました。
そんなことはないでしょう。光秀は15日から17日までの3日間、安土で家康の接待役をつとめ、17日に信長から接待役を免じられて、中国出陣を命じられたので、20日はその支度のため坂本城にいるはずです。
また、丹波と近江滋賀郡の所領没収を信長に言わせていましたが、またかという感じでもういい加減お腹いっぱいですね。そんなはずないでしょう。

ひとつ新味があったのが、信忠が在京しているのを確認してから、光秀が謀叛に踏み切ったこと。
堺に行く予定だった信忠が、信長上京を知って、京都で出迎えると決めたのが5月27日。
信忠が森乱宛てに同日書状を送っています。
信長・信忠父子ともに討ち果たすのが謀叛の要諦だったとした点は買えますね。従来そんな風に描いたドラマはなかったと思いますから。

余談ながら、信忠が堺下向を中止(延期)したのを知って、「(堺衆が)力を失い、茶湯の面目を失った」と嘆いたのが千宗易です。宗易にとっては、江よりも信忠のほうが大事な人物でした。

さらに余談ですが、江と宗易の交流を描いてしまった以上、宗易=利休の秀吉との確執やその最期についても、江が余計なお世話をするのではないかというイヤな予感が……。

最後の江紀行で、信忠が自害した二条御所跡(旧龍池小学校跡)の石碑が登場しました。
これも珍しいかも。もっとも碑銘のとおり、「二条殿跡」と呼んでいましたが、当時の呼ばれ方だった「二条御所跡」(あるいは下御所)と呼んでほしかったですね。

もう感想を書くのも今回限りかもしれません。

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【2011/02/07 00:33】 |
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とらさん
愛宕でくじを引いたりするシーンはあまり重要視されないのでしょうかね。例の発句も出てこなかったですし。
それと、謀反を勧めたのが信長自身、というのが今後いろいろ引用されるような気もします。
信長自滅説の誕生?

信忠が京にいたことを知っていたなら同時に妙覚寺を包囲しそうな感じですけど、昨日の放送ではうまく?触れないようにしてましたね。
京にいたことは知ってたが、どこにいたかは知らなかった、とすれば史実にも整合性がありますし。

お江は生霊か幽体離脱かテレポートか、とSF方面でも話題になってたり・・

次回も本能寺の謎??にお江がせまります。ご覧になって頂きたいですね・・

お姫様戦国紀行
市川
時代考証を担当する先生方の存在などもはや必要ないのではと思ってしまうのが今年の大河の感想です。
これほど主人公のやることなすことがまかり通る世界なら、歴史的見解など必要ないと思います。
桐野先生を含め、他の大河サイトの真面目な評論を読んでも、虚無感が漂います。

周囲の人物像も真新しいことはなく、みんなが知っている信長や光秀の悪い意味でイメージ通り。
特に光秀は扱いが雑です。理不尽に殴られいじめ抜かれた人物だったとしかもう認識できません。

このまま1年間、お姫様はどこまで首を突っ込み続けるのか……。




とらさん
次の清盛の考証を担当される先生もNHK批判?をされてますし、ここ数回の大河はさすがに行きすぎなのでしょうか。
あくまでドラマであるというのも理解はできるのですが・・

歴史認識のズレ
惟宗
桐野さん、一連のお仕事、ブログ、いつも拝見しております。いつぞやは、ブログにての質問に懇切丁寧に御回答下さり、改めてお礼申し上げます。ブログでの大河ドラマに対する桐野さんの危惧や皆さんのコメントを拝見していると、よく言われていることですが、歴史研究者【=学界】の認識と一般の方の認識のズレが大きすぎるという問題がありますね。特に歴史学はそれが顕著だと思われます。歴史がその存在理由を問われている現在だからこそ、桐野さんの危惧は当然でしょうし、大河ドラマ=史実と思い込まれる視聴者に対する懸念もまた当然だと思います。大河ドラマに歴史を身近に感じて興味を喚起する装置としての役割があるにしても、フィクションとしてのドラマを史実と視聴者が認識すると、さらに史実としての歴史との乖離が加速してしまいますし、歴史研究者として、一般の方に学界の最新の動向を解りやすく解説して興味を喚起する必要をさらに強く感じてしまいました。←口で言うのは簡単ですが…。無味乾燥で、つまらないと思われがちな歴史学の危機が大河ドラマに象徴されているとさえ、感じてしまいます。

乖離
桐野
研究者と一般人、史実と物語の乖離はいつの時代でもあることですから、あれこれいっても仕方ないのかもしれません。

たとえていえば、赤穂浪士の討ち入りは明らかに実在した史実ですが、それを翻案した「仮名手本忠臣蔵」はフィクションですね。
最近の大河ドラマは後者の役割を果たしています。
問題は時代考証を置いていることかもしれないですね。時代考証を置かずにつくれば、あれこれいう筋合いでもないんですけどね。

また歴史研究者もその乖離をどう見るか、もっと積極的な発言があってもいいような気もしますね。



市野澤 永
昨日、仕事の関係から下記の書籍の出版を知りました。

書名 天正壬午の乱
   本能寺の変と東国戦国史
著者 平山 優
価格 \2,415(税込)
出版 学研パブリッシング
ISBN 978-4-05-404840-9
発行 2011年3月

本日、丸島和洋氏がご自身のH.Pでご紹介をなされていましたが、益々読みたくなりました。

ご存知でしたら、申し訳ありません。





忍っこ
桐野先生こんにちは
「江」は大河ドラマ50作という記念すべき作品
なのに、またやっちゃってます。
新聞の番組紹介欄に上野樹理が7歳の「江」を
演じるのはムリがあると書いてありました。
私も時代考証は必要ないと思います。
作家の田渕久美子さんの過去の作品はれきしの
「れ」の字も出てきません
そういう方が作った「江」ですから
史実はもちろんご存じでないと思います。



平山優氏
桐野
市野澤さん

平山優さんの新著紹介、有難うございます。

じつは平山さんからご恵贈していただきました。
そのうち、当ブログでも紹介したいと思います。



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この記事へのコメント
愛宕でくじを引いたりするシーンはあまり重要視されないのでしょうかね。例の発句も出てこなかったですし。
それと、謀反を勧めたのが信長自身、というのが今後いろいろ引用されるような気もします。
信長自滅説の誕生?

信忠が京にいたことを知っていたなら同時に妙覚寺を包囲しそうな感じですけど、昨日の放送ではうまく?触れないようにしてましたね。
京にいたことは知ってたが、どこにいたかは知らなかった、とすれば史実にも整合性がありますし。

お江は生霊か幽体離脱かテレポートか、とSF方面でも話題になってたり・・

次回も本能寺の謎??にお江がせまります。ご覧になって頂きたいですね・・
2011/02/07(Mon) 09:26 | URL  | とらさん #-[ 編集]
お姫様戦国紀行
時代考証を担当する先生方の存在などもはや必要ないのではと思ってしまうのが今年の大河の感想です。
これほど主人公のやることなすことがまかり通る世界なら、歴史的見解など必要ないと思います。
桐野先生を含め、他の大河サイトの真面目な評論を読んでも、虚無感が漂います。

周囲の人物像も真新しいことはなく、みんなが知っている信長や光秀の悪い意味でイメージ通り。
特に光秀は扱いが雑です。理不尽に殴られいじめ抜かれた人物だったとしかもう認識できません。

このまま1年間、お姫様はどこまで首を突っ込み続けるのか……。

2011/02/07(Mon) 15:35 | URL  | 市川 #-[ 編集]
次の清盛の考証を担当される先生もNHK批判?をされてますし、ここ数回の大河はさすがに行きすぎなのでしょうか。
あくまでドラマであるというのも理解はできるのですが・・
2011/02/07(Mon) 22:18 | URL  | とらさん #-[ 編集]
歴史認識のズレ
桐野さん、一連のお仕事、ブログ、いつも拝見しております。いつぞやは、ブログにての質問に懇切丁寧に御回答下さり、改めてお礼申し上げます。ブログでの大河ドラマに対する桐野さんの危惧や皆さんのコメントを拝見していると、よく言われていることですが、歴史研究者【=学界】の認識と一般の方の認識のズレが大きすぎるという問題がありますね。特に歴史学はそれが顕著だと思われます。歴史がその存在理由を問われている現在だからこそ、桐野さんの危惧は当然でしょうし、大河ドラマ=史実と思い込まれる視聴者に対する懸念もまた当然だと思います。大河ドラマに歴史を身近に感じて興味を喚起する装置としての役割があるにしても、フィクションとしてのドラマを史実と視聴者が認識すると、さらに史実としての歴史との乖離が加速してしまいますし、歴史研究者として、一般の方に学界の最新の動向を解りやすく解説して興味を喚起する必要をさらに強く感じてしまいました。←口で言うのは簡単ですが…。無味乾燥で、つまらないと思われがちな歴史学の危機が大河ドラマに象徴されているとさえ、感じてしまいます。
2011/02/08(Tue) 22:31 | URL  | 惟宗 #-[ 編集]
乖離
研究者と一般人、史実と物語の乖離はいつの時代でもあることですから、あれこれいっても仕方ないのかもしれません。

たとえていえば、赤穂浪士の討ち入りは明らかに実在した史実ですが、それを翻案した「仮名手本忠臣蔵」はフィクションですね。
最近の大河ドラマは後者の役割を果たしています。
問題は時代考証を置いていることかもしれないですね。時代考証を置かずにつくれば、あれこれいう筋合いでもないんですけどね。

また歴史研究者もその乖離をどう見るか、もっと積極的な発言があってもいいような気もしますね。
2011/02/09(Wed) 20:12 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
昨日、仕事の関係から下記の書籍の出版を知りました。

書名 天正壬午の乱
   本能寺の変と東国戦国史
著者 平山 優
価格 \2,415(税込)
出版 学研パブリッシング
ISBN 978-4-05-404840-9
発行 2011年3月

本日、丸島和洋氏がご自身のH.Pでご紹介をなされていましたが、益々読みたくなりました。

ご存知でしたら、申し訳ありません。


2011/02/12(Sat) 00:17 | URL  | 市野澤 永 #-[ 編集]
桐野先生こんにちは
「江」は大河ドラマ50作という記念すべき作品
なのに、またやっちゃってます。
新聞の番組紹介欄に上野樹理が7歳の「江」を
演じるのはムリがあると書いてありました。
私も時代考証は必要ないと思います。
作家の田渕久美子さんの過去の作品はれきしの
「れ」の字も出てきません
そういう方が作った「江」ですから
史実はもちろんご存じでないと思います。

2011/02/12(Sat) 07:48 | URL  | 忍っこ #-[ 編集]
平山優氏
市野澤さん

平山優さんの新著紹介、有難うございます。

じつは平山さんからご恵贈していただきました。
そのうち、当ブログでも紹介したいと思います。

2011/02/13(Sun) 12:57 | URL  | 桐野 #hxjklqKc[ 編集]
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大河ドラマというのは無理矢理、事件に絡ませようとするあまり、 時折、思考回路が停止してしまうこともありますが、 もうこれは『お江劇場』というより『お江の大冒険』といったほうが早く、 『西遊記』の孫悟空並みの機動力をもつお江様に脱帽させられます。 前回のタイト
2011/02/07(Mon) 00:51:04 |  shugoroの日記